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うらぶれた森山氏の作風を映像で 映画「薄氷の殺人」 ディアオ・イーナン監督インタビュー
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映画「薄氷の殺人」の中国人映画監督のディアオ・イーナン監督=2014年11月13日、東京都中央区(早坂洋祐撮影) 日本の都市の暗がりをモノクロ写真で切り取ってきた写真家、森山大道(だいどう、76)に魅せられ、中国の新鋭、ディアオ・イーナン(ディアオ・亦男)監督(45)は、新作のクライムサスペンス「薄氷の殺人」の舞台を華北の地方都市に設定した。
「森山さんの作品で印象的なのは、1970~80年代の東京や大阪。社会の底辺で暮らす人々の姿とか、写真から醸し出されるうらぶれた雰囲気が好きでした。僕は映像で少しでも彼の作風に近づきたかったんです」。監督は映画化の端緒を語った。
男のバラバラ死体が6都市15カ所で発見された。捜査に当たった刑事のジャン(リャオ・ファン)はとんだヘマをやらかし、退職に追い込まれる。5年後、警備員となったジャンは、結果的に迷宮入りとなったバラバラ殺人とよく似た事件が続発していることを知り、5年前の被害者の妻、ジージェン(グイ・ルンメイ)に近づく。
監督がキャスティングで重視するのは、演技力よりも、むしろ俳優たちが持っているイメージだという。「映画は映像の芸術ですからね。ジャンは粗野だけどデリケートな部分や狡猾(こうかつ)さもある。ジージェンは清楚なイメージゆえに、他者から同情を買い、男を引きつけてしまう。リャオ・ファンとグイ・ルンメイの雰囲気はそのまま役のイメージにぴったり。ルンメイなど何もしなくていいくらいですよ」
作品は昨年のベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞と銀熊賞(主演男優賞)の2冠をもたらした。1月10日から全国順次公開。(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS)
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