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ギリシャ支援協議 再び物別れ EU、最後通告で譲歩迫る
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首都アテネで記者会見するギリシャのヤニス・バルファキス財務相(右)とオランダのデイセルブルム財務相=2015年1月30日、ギリシャ(AP=共同) 欧州連合(EU)は16日、ブリュッセルでユーロ圏財務相会合を開き、2月末で期限が切れる対ギリシャ金融支援問題を11日に続き協議したが、再び物別れに終わった。EU側は、ギリシャ新政権が拒否している現行支援策の延長が望ましいとの立場で一致、ギリシャに今週中に延長を申請するよう促した。EU側が“最後通告”を突き付けて譲歩を迫った。
デイセルブルム議長(オランダ財務相)は会合後の記者会見で、一部加盟国には国内手続きがあり、今週中が延長決定の最終期限だと指摘。ギリシャが延長を求めれば20日にも再び財務相会合を開いて決定するとしており、次回会合を開けるかどうかが焦点となった。
デイセルブルム氏は17日、報道陣に「あとはギリシャ次第だ」と述べた。ギリシャ側と調整に当たる用意があるとも語った。
支援がなくなれば3月にもギリシャの資金繰りが行き詰まる恐れが指摘されており、ギリシャは決断を迫られている。
ギリシャのバルファキス財務相は16日の記者会見で、厳しい財政緊縮策を条件としてきた現行の支援策を否定する一方、「今後2日間に合意に達するようギリシャ政府はあらゆることをする」と述べ、調整を続ける考えを示した。
ギリシャのチプラス新政権の目標は、緊縮策や巨額の債務負担を軽減させる新たな支援枠組みの構築。デイセルブルム氏は現行の支援策を延長すれば数カ月の余裕ができ、緊縮策の在り方も協議できるとギリシャ側に歩み寄りを求めた。
会合前、EU側は「ギリシャが6カ月の延長を求める考えを表明した」との内容を含む声明案を準備したが、チプラス首相は「受け入れられない」との声明を出して反発した。(共同/SANKEI EXPRESS)
≪市場でユーロ圏離脱シナリオ浮上≫
財政危機にあえぐギリシャの債務問題をめぐる「債権者」EUとの協議は難航が続く。EUや国際通貨基金(IMF)への返済期限が刻々と近づく中、市場では再び、ギリシャがユーロ圏を離脱するシナリオが浮上し始めた。
「今週中がギリシャの決定の最終期限だ」。交渉が長時間に及ぶと予想されていた16日のユーロ圏財務相会合は約3時間で終了。会合後の記者会見に臨んだデイセルブルム議長(オランダ財務相)は、厳しい緊縮策を伴う現行の支援策延長を求めるのか拒否するかを迫った。
EUの支援策は今月末に期限切れとなるが、ギリシャは「(失業増など)人道危機をもたらした支援策の延長はしない」と主張。代わりに負担を軽減した新たな支援枠組みで8月ごろまでに合意し、それまでの数カ月間は資金調達のための「つなぎ措置」を求める意向だ。
ギリシャにとっては3月、6月にIMFによる融資の主な返済期限が来るほか、7、8月には欧州中央銀行(ECB)が保有するギリシャ国債の償還期限を迎える。支援に関する合意もつなぎ融資もなければ、早ければ3月にも、遅くても7月ごろまでに政府資金が底をつきデフォルト(債務不履行)に陥る可能性がある。
2012年にはチプラス首相が率いる反緊縮派政党、急進左派連合(SYRIZA)が総選挙で躍進し、政権を取れば「ユーロ圏離脱も」と国内外メディアが報じた。
ロイター通信による最新のエコノミスト調査によると、ギリシャが年内にユーロ圏を離脱する可能性は25%。12年当時よりもその確率は高いという。
ユーロ圏に加入していない英国はギリシャ離脱に備え、英経済への影響や対応策の協議を開始。オズボーン財務相は「ギリシャは世界経済の最大のリスクだ」と危機感を募らせる。
チプラス首相は「緊縮より成長を」のスローガンを掲げて有権者の支持を集めただけに、安易な妥協はできない。ユーロ圏各国にとっても、大幅に譲歩すれば、支援を卒業したスペイン、ポルトガルなどで反緊縮機運が高まり「ごね得」を許すことになる。互いに妥協点を探る駆け引きが続くとみられるが、原則論を貫けば国際経済を不安に陥れるのは必至だ。(共同/SANKEI EXPRESS)