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会話するバービー、子供の「空想奪う」と波紋 “盗聴”の危険性も指摘
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米ニューヨークで開かれた北米国際玩具見本市でお披露目された、持ち主の質問に自分で考えて答える新型「ハロー・バービー」=2015年2月14日(AP) 世界中の女の子に愛されてきた着せ替え人形「バービー」を販売する米玩具メーカー、マテルが、持ち主の質問に自分で考えて答えるなど会話ができる新型の「ハロー・バービー」を発表し話題になっている。人工知能(AI)を応用した音声ガイド機能やインターネット経由のクラウド機能を備えており、会話を通じて子供とともにバービーも学習し成長していく。玩具業界では今後、こうしたハイテク技術を駆使した「スマートトイ」が主流になるといわれている。ただ、人形との空想のおしゃべりがなくなり、子供の想像力が奪われると懸念する声も。ハッカーに子供たちの会話を盗み聞きされる危険性も指摘されている。
「バービーと会話をしたいというのが、わが社に届く女の子からのリクエストの第1位でした。そしてついに、その夢がかない、バービーは双方向の会話ができるようになったのです」
マテルの広報担当者は、欧米メディアにこうコメントした。
ハロー・バービーは、今月14日にニューヨークで始まった北米国際玩具見本市でお披露目された。ブロンドヘアにロッカー風のスタイルで、価格は74ドル99セント(約8900円)を予定。発売時期は未定だが、今年のクリスマス・シーズンに売り出されるとみられている。
欧米メディアによると、ハロー・バービーはスマートフォンなどに搭載されているのと同じ音声ガイド機能を内蔵。ネックレスに仕込まれたマイクとスピーカーで持ち主の質問に答える。
無線でネットと接続し、外部のサーバーに持ち主との会話内容を保存するクラウド機能を活用。「ダンスが好き」「自転車に乗るのが好き」といった持ち主の趣味や趣向を覚え、その後の会話に反映させるなど学習する。会話を通じて、それぞれのバービーが個性を形成し持ち主によって全く違うバービーになるという。
音声ガイド機能を開発した米トイトークのオーレン・ジェイコブCEOは「会話内容は時間の経過とともに進化していくだろう」と胸を張った。
マテルは1945年創業の老舗で、59年に発売したバービーが大ヒットし世界最大級の玩具メーカーとなった。しかし、最近はスマホのゲームなどに押され、売上高は3年連続のマイナスと低迷。特に、バービーは昨年の販売額が前年比16%減と大きく落ち込んでおり、「スマートトイ」に生まれ変わらせることで巻き返したい考えだ。
玩具業界では、英国のビビッド・トイ・グループが昨年11月に、考えて会話をする女の子の人形「ケイラ」をすでに発売。米IT企業のIBMはAIのワトソンを応用した玩具の開発を進めているとされる。
英国玩具協会の広報責任者ナターシャ・クルークス氏は英BBC放送に「玩具は子供たちの期待に追い付かねばならない」と、スマートトイの普及に期待を示した。
ただ、BBCは「保守的な人からは子供の想像力を奪うと懸念する声も出ている」とも伝えた。また、米紙クリスチャン・サイエンス・モニターは、「空想の会話にさよなら」との見出しを掲げた。
さらに英紙デーリー・ミラーは、外部からのハッキングで子供たちの会話が盗まれ、プライバシーが侵害される危険性を指摘。「サーバーにおけるセキュリティー対策が重要になる」との専門家の警告を紹介した。
会話するバービーが、波紋を広げている。(SANKEI EXPRESS)