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「医療の仕事に」「町に貢献」 夢向かい巣立つ 南三陸・志津川中で卒業式

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「医療の仕事に」「町に貢献」 夢向かい巣立つ 南三陸・志津川中で卒業式

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宮城県の本吉郡南三陸町を見下ろす高台にある志津川中学校の校門前で、これからの夢を書いてくれた(左から)高橋莉子さん、阿部舞さん、佐々木夏蓮さん、千葉航洋さん=2015年3月8日(植村光貴撮影)  東日本大震災からまもなく4年。震災直後、避難所になっていた宮城県南三陸町の志津川小学校で肩を寄せ合っていた当時5年生の子供たちが8日、地元の志津川中学校で卒業式を迎え、それぞれの夢に向かって歩き始めた。

 8割が避難所体験

 今年の卒業生は99人。7~8割が避難所での生活を経験している。

 「語り部」として、県内外から来る人たちに震災体験を伝えてきた佐々木夏蓮さん(15)は、4年間を振り返って「一日一日、一生懸命だった。大変だったが充実していて、一瞬でした」と話す。

 中学ではソフトボール部に所属、県選抜の選手としても活躍した。高校でもソフトを続けるため、町を離れ仙台市内で寮生活をする。「すごく仲のいい先輩がいて楽しみ。早くチームになじめるようになりたい」と目を輝かせた。

 仮設住宅で暮らす千葉航洋さん(15)は、4年前のことをたまに思い出すことがあるという。「避難所では医療関係のボランティアの人たちが、みんな笑顔で支援してくれた」。その時のことが忘れられず「将来は医療の仕事に就きたいので、大学進学に向けて勉強を頑張る」と語る。

 阿部舞さん(15)は今、震災や町のいいところを町外の人に伝えるボランティア活動に熱心で、高校に入っても続けていく。「将来は人との関わりが大切にできるような仕事に就きたい」という。

 千葉さん、阿部さんはともに地元の高校に入学する。

 校舎から見た復興

 中学で生徒会長を務めた高橋莉子さん(15)は宮城県石巻市の高校に入学する。現在、仮設住宅で、4畳半の2部屋に家族5人で暮らしている。高校まではバスと列車を乗り継いで片道約1時間半かかる。

 中学校生活を振り返って「途中で学校が統合され友達がたくさん増えて楽しかった」と話す。将来の夢はまだ決まっていないが「(地元で暮らして)この町に貢献できるよう頑張っていきたい」。

 志津川中の校舎は高台にあり、子供たちは町の復興を毎日見てきた。

 「今までと違う町になっていくようだ」と千葉さん。高橋さんは「運動場やみんなで集まって遊んだりするところができればいいな」と言い、佐々木さんは「前の町の姿に戻れないのは寂しいけど、新しい町になるのは楽しみ」と話した。阿部さんは「道路もできて町の様子が変わってきた。でも以前の町の良さが残ればいいなと思います」と言った。

 自宅を津波で流され、友人や知人との別れなどを経験した子供たちも、春から高校生となる。(植村光貴、写真も/SANKEI EXPRESS

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