SankeiBiz for mobile

送金ビジネス 次の主戦場 FB「メッセンジャー」拡充、開発規格も公開

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの経済

送金ビジネス 次の主戦場 FB「メッセンジャー」拡充、開発規格も公開

更新

無料対話アプリ「メッセンジャー」の機能を送金やネット通販の決済にまで広げ、新たなコミュニケーションツールに進化させる戦略を明らかにしたフェイスブック(FB)のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)=2015年3月25日、米カリフォルニア州サンフランシスコ(AP)  交流サイト大手の米フェイスブック(FB)が、全世界で利用者6億人という無料対話アプリ「メッセンジャー」で、文字や写真のやりとりだけでなく、動画や音楽、利用者間の送金やネット通販での買い物の決済まで取り扱う新戦略を打ち出した。25日には外部のアプリ開発者にメッセンジャーのプラットフォーム(基盤)を公開すると発表。メッセンジャーをさまざまなサービスを集約したコミュニケーションツールに発展させる方針を表明した。交流サイトのサービスは大きな転換期に突入したようだ。

 ライバルが先手

 FBが17日に発表したこの送金サービスは、まず米で数カ月以内に始まるという。メッセンジャーの利用者で、事前に米国の銀行が発行するデビットカードの情報を登録すれば、簡単な操作で手軽に相手の銀行口座に現金を送ることができる。友人同士のお金の貸し借りや立て替え払いといった少額決済に便利だが、将来的にはネット通販などの決済も可能にする考えだ。

 FBは早くからメッセンジャーによる送金サービスを計画。昨年6月、ネット決済の老舗、米ペイパルのデービッド・マーカス最高経営責任者(CEO)を引き抜き、メッセージング製品担当部門の副社長に据えた。

 ところが昨年11月、ライバルの動画メッセージアプリ、米「スナップチャット」が同種の機能を一足先に追加し、全世界利用者数が7億人と急成長。このためFBは、送金サービスに加え、外部の開発者の力を借り、メッセンジャーの機能の飛躍的な向上に踏み切った。

 FBのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者=CEO=(30)は25日、サンフランシスコで開幕した開発者会議「F8」の席上、「これはFBにとってエキサイティングかつ巨大なチャンスで、新たなエリアを創出するものだ」と訴え、外部開発者がメッセンジャーでのやり取りに「豊かで新しい方法」を持ち込んでくれるはずだと期待を表明した。

 英BBC放送(電子版)やロイター通信などによると、既に米スポーツ専門局ESPNが手掛ける面白スポーツ動画やアニメ、音声ファイル、天気予報の情報などをやり取りできる約40種類のメッセンジャー向けアプリを開発済みという。

 さらに、マーカス副社長はフランス通信(AFP)に「われわれは(メッセンジャーで)企業と人々が会話を始めることを望んでいる。そのサービスには雑音がなく、プライベートに感じられる必要がある」と述べ、ネット通販や買い物の決済へのサービス拡大に意欲をみせた。

 犯罪温床の懸念

 全世界に13億9000万人の利用者がいるFBだが、メッセンジャーのような対話アプリの分野では米の「スナップチャット」や日本でも大人気の「LINE(ライン)」、中国の「微信」などに押されている。ラインも昨年暮れから同種の送金サービスを開始。微信ではコンサートやスポーツイベントのチケットも購入できるからだ。

 FBはこうしたライバル企業に打ち勝つため、外部開発者の力を借り、メッセンジャーの機能強化と広告収入のアップを目指す。

 しかし、こうした対話アプリを使った送金サービスは、取引実態が外部に見えにくいため、成り済ましによる詐欺の標的になる恐れがあるほか、少額であっても麻薬取引やマネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪の温床になる危険もはらむ。ここ数年、世界中で一気に成長した交流サイトのサービスは、まだまだ劇的な変化を繰り広げることになりそうだ。(SANKEI EXPRESS

ランキング