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広大で神秘的な自然 見て遊んで マレーシア・ボルネオ島巡り

 東南アジアのボルネオ島の北西部に位置するマレーシア領土のサラワク州。世界遺産のグヌン・ムル国立公園では、熱帯雨林の洞窟群巡りやコウモリの大群の観察が楽しめ、州都クチンの近郊では珍しい動植物と出合い、先住民族の文化に触れられる。美しいビーチも多い。常夏の島を訪れた。

 コウモリ200万匹の大飛行

 クチンから空路で約1時間半、グヌン・ムル国立公園の玄関口のムル空港へ。公園本部から洞窟まで密林の中を歩くと聞いて思わず尻込みしたが、木道が整備されていてホッとする。1時間ほどでラング洞窟に到着した。美しい鍾乳石が有名な洞窟内はライトアップされており、自然が織りなす幻想的な光景にしばし見とれる。

 ディア洞窟は入り口(高さ約150メートル、幅約120メートル)が世界最大とされ、内部は漆黒の空間が広がっている。懐中電灯で照らしながら、数百メートル進んだ地点で後ろを振り返ると、巨大な岩のシルエットが米国の第16代大統領、リンカーンの横顔に見えた。

 ここでは、夕刻になると空へいっせいに舞い上がるコウモリの大飛行が見られるという。天候によっては見られないことも…。お出ましを待ちわびていると、「ワーオ!」と歓声が上がった。200万匹の大群が餌を求めて洞窟から飛び立ち、帯状に移動していく。その様子は天空を舞う竜にたとえられ、「ドラゴンダンス」と呼ばれている。壮大なショーを見ることができた幸運に感謝した。

 スリル満点の「空中散歩」

 翌日は、公園本部からボートで移動。探検家になったようでワクワクする。強風が吹き抜けるウインド洞窟では、荒々しい自然の造形美に圧倒させられた。約200段の階段を上がって、全長107キロに及ぶ東南アジア最長のクリアウオーター洞窟へ。真っ暗な中、マリア像のような形をした石筍(せきじゅん)がたたずんでいた。

 2日間にわたって洞窟を案内してくれたフィリップさん(52)は、1978年にラング洞窟を発見したラングさんの親戚で、ガイド歴30年。「いずれの洞窟も特徴があり、それぞれの良さがあります」と話す。グヌン・ムル国立公園の6割は未開の地という。熱帯雨林の動植物を観察しながらのトレッキングや全長480メートルのキャノピー(つり橋)ウオークも楽しめる。一歩踏み出すごとに上下左右に揺れる“空中散歩”はスリル満点だ。

 ジャングル体験を満喫した後は、クチンへ。郊外にはビーチや珍しい動植物が見られる国立公園がある。まずは市内から車で約40分のセメンゴワイルドライフセンターへ向かった。オランウータンを野生に戻すための保護区だ。ここでは運がよければ餌付けの様子が観察できるが、残念ながら空振りに終わった。オランウータンは満腹だったのだからいいじゃないかと自分を納得させる。

 直径30センチの巨大花

 それならば植物だ。クチンから車で約2時間のグヌン・ガディン国立公園は熱帯雨林植物の宝庫で、特に有名なのが巨大花ラフレシア。咲く時期が決まっているわけではなく、運が良ければ見ることができるという旅行者泣かせの花だが、「今日は咲いている」と朗報が。舗装道から外れ、木の枝をかき分けて進んだ先に、なんとも毒々しい色をした直径30センチはあるラフレシアが咲いていた。

 民族文化とずぶぬれカヤック

 モスクや博物館が点在するクチンを拠点に、町を散策しながらサンセットクルーズも楽しむ。少し足を延ばして、ボルネオの7民族の伝統的な建物や生活を見学できる「サラワク文化村」や、首狩り族として有名なビダユ族のロングハウス、美しいビーチも堪能。サラワク川の下流で、ずぶぬれになりながらカヤックも体験した。乾期の3~9月が特にお勧めという。夏休みにピッタリの“探検旅行”となるだろう。(杉山みどり、写真も/ SANKEI EXPRESS)

 ■マレーシア・イヤー・オブ・フェスティバル2015 マレーシア各地で、多くの体験型・文化的イベントが開催される。<マレーシア政府観光局>tourismmalaysia.or.jp <サラワク州観光局>sarawaktourism.com

 【ガイド】

 ■アクセス マレーシア航空で、関空からクアラルンプールまで約7時間(成田からは約7時間半)。国内線に乗り換えクチンまで約2時間、クチンからムルまで約1時間半。マレーシア航空(www.mas-japan.co.jp/index.html)

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