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【私のおしゃれ学】歌舞伎俳優 中村壱太郎さん 祖父 坂田藤十郎目指し舞台に打ち込む

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【私のおしゃれ学】歌舞伎俳優 中村壱太郎さん 祖父 坂田藤十郎目指し舞台に打ち込む

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歌舞伎俳優、中村壱太郎さん。[衣裳協力]スーツ9万2880円、シャツ1万5120円、ネクタイ1万5120円、チーフ4320円、靴6万4800円。ベストはパターンメイドオーダーのみ=2015年3月26日(大石一男さん撮影)  「何が一番うれしいかというと、ファンの皆さまが舞台を見に来てくださること。この瞬間、どれだけお話ししても全部は伝わらない、一日一分でも多く舞台を見てほしい」。さわやかな笑顔を浮かべ、ファンへの思いを語った。歌舞伎界注目の若手の一人。祖父は人間国宝の坂田藤十郎、将来は上方の名門・成駒家を担う立場でもある。今年は父親の中村翫雀改め四代目中村鴈治郎襲名公演で全国を回るなど多忙な日々が続いている。

 1歳で、初お目見え。4歳で初舞台を踏んだ。歌舞伎の世界で生きていく、と意識したのは高校1年生の時。祖父の「坂田藤十郎襲名公演」で、祖父と同じ舞台に立ち、立役、女形の両方をこなす祖父の姿、魂でも宿っているかのような完成された芸を目の当たりにし、「祖父のようになりたい」と思ったという。

 幼いときから歌舞伎が好きで、「歌舞伎の苦労なら苦労とも思わない」ことも幸いだった。大学3年の就職活動の時も迷いはなく、歌舞伎の世界へ。「普通に考えたらおじいちゃんなんですけど、歌舞伎の世界では大先輩。自分が目標とする役者で、大きな存在です」と目を輝かせた。

 壱太郎さんが今、心待ちにする公演が5月2日初日の東京明治座での「五月花形歌舞伎」だ。昼の部の『男の花道』で、市川猿之助、夜の部の通し狂言『鯉つかみ』では、片岡愛之助と共演する。

 「尊敬する2人の先輩、しかも『男の花道』は祖父が手掛けた作品で、前から出たかった。舞台稽古にも自然に力が入ります」と話す。

 一方、おしゃれについては「疎い」とか。同じ服を着ている人がいてもあまり気にならないそうだが、「色彩感覚は別です」と語る。「たとえばグリーンとグレーが合わさったような一言で表現できない色合い。歌舞伎の衣裳にはこうした色合いが多く、だから敏感にならないといけない」という。

 歌舞伎以外にミュージカルなどの舞台にも目がない。また、学生時代には、時間を見つけては下北沢などの小劇場に通った。「別にこだわりはなくいろいろ見ました。これは歌舞伎に役立ちました。役作りに行き詰まったときとか、そのまま使えなくとも形を変えて使ったり参考にしたり、引き出しが増える感じでした」

 昨年、初めてヨーロッパで歌舞伎の舞踊を披露した。観客もそうだが、道や建物もすごく新鮮に感じたという。

 長所は、一度始めたら、最後まで貫き通すことと、人見知りすることなく、だれとでも気軽におしゃべりできること。「舞台は一人ではできない。スタッフさんがいて、共演者さんがいて、お客さまがいないとできない。なぜか人とかかわるのが好きなんですねえ」と周囲のスタッフに語りかける。壱太郎さんを囲んでインタビューをしていると、なぜか周囲に笑顔が広がっていく。そんな不思議な魅力を感じた。(文:水戸貞利/撮影:フォトグラファー 大石一男/SANKEI EXPRESS

 ■なかむら・かずたろう 1990年8月3日、東京生まれ。四代目中村鴈治郎の長男。母は日本舞踊吾妻流三世宗家の二代目吾妻徳穂。91年、京都南座で初お目見え、95年、大阪中座での『嫗山姥(こもちやまんば)』の一子・公時で、初代中村壱太郎を名乗り初舞台を踏んだ。2007年、16歳で大曲『鏡獅子』を踊り、09年は『封印切』の梅川を好演。10年には祖父・坂田藤十郎がそれまでほぼ一人で演じてきた『曽根崎心中』のお初に大抜擢(ばってき)された。同年、11年と2年連続で国立劇場奨励賞。11年、文化庁芸術祭賞新人賞。

 【ガイド】

 ■「明治座 五月花形歌舞伎」 2015年5月2日(土)初日~26日(火)千穐楽。<場所>明治座。<時間>昼の部11:00/夜の部16:00(11、14、16、20日昼の部は貸し切り)。<問い合わせ>明治座チケットセンター (電)03・3666・6666。チケットホン松竹 (電)0570・000・489

スタイリスト:手塚陽介

ヘアメーク:山口公一(SLANG)

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