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【奥多摩だより】春の色彩(東京都奥多摩町)
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春の色彩=2012年4月28日、東京都西多摩郡奥多摩町(野村成次撮影) 桜が咲いて散っていった。初夏のような気候になったのに、先日気まぐれな神サマは雪を降らせた。そういえば2010年の4月半ば、都心の桜は終わったのに雪の予報。急いで奥多摩へ出かけて探したのは満開の桜。梅に雪はよく見るが、桜に雪はそうそうあるものではない。奥多摩湖畔の桜も終わりかけで、もっと奥へと山梨県丹波山村で雪をかぶった桜を見つけた。これは初めての経験だ。もっともその雪も昼過ぎには消えてしまったが、そんな早春の思い出もある。
少し冷え込みが続くようだが、すぐに暖かくなってくる。奥多摩の標高の低いところの桜は終わっても、中腹では所々にヤマザクラが咲き誇っている。新緑は山腹をかなりのスピードで駆け上って、例年ゴールデンウイークのころには、さまざまな色に染められる。雑木林の芽吹きは、白、黄色、桃色と自然の画伯は天才ぶりを発揮して、山肌のカンバスは百花繚乱といった感じに彩られる。もっとも、その美しさのピークは短く、あっという間に季節が夏へと移ってしまう。
3年前に東京都奥多摩町の山中で、そんな絶好の日に行き合ったことがある。生命力あふれる見事な新緑に、ハナモモは紅色に輝いていた。周囲は黄緑色の絵の具をぶちまけたような新鮮さだ。そんな木々の若さにあやかりたいとの思いは年々強くなってくるが、こればかりはどうしようもない。
もし、その若葉から生命力を与えられたなら、ハラハラと葉が散る秋の日には倍返しを求められ、残り少ない命を差し出すことにもなりかねないか。どちらにせよ、女性だと信じる若葉の精とデートを楽しむことを、春眠の夢に見るこのごろだ。(野村成次、写真も/SANKEI EXPRESS)