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どんどが始まる 東京都あきる野市

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どんどが始まる 東京都あきる野市

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どんどが始まる=2015年1月12日、東京都あきる野市(野村成次撮影)  【奥多摩だより】

 奥多摩から流れ来た秋川が、武蔵五日市の市街に近づく。沢戸橋の下をくぐり大きく左に曲がるところに、さほど広くはないが河原がある。ここまでは山中の川だから、河原はそんなに広がっていない。やっと平地を流れる川となって、子供たちが遊べるスペースができたのだ。

 その河原で、例年どんど焼きがおこなわれている。今もあきる野市ではその小正月の伝統行事が盛んで、いくつかの集落で見られる。朝のJR五日市線の車窓には、煙が何本か立ち上り、目当ての集落のそれには、まだ時間があるかと祈りながら急ぐのだ。沢戸橋では、今年は1月12日に地元の人たちによって、2基のどんどに点火された。

 ここのどんどは以前も見ている。毎年同じ撮影位置では工夫がないと、今年は橋の上から撮影してみた。このような撮影で、気をつけることは風向きだ。それは火災現場の取材も同じで、風上から撮るのがセオリー。風下に入れば煙に囲まれて、何も撮れないこともある。その朝は北からの風、橋の上からはそんなに悪くはない、何とかなるさと考えたのが間違いだった。

 点火されたどんどから、すさまじい煙が立ち上る。風が舞って、煙は激しく橋の上に襲いかかった。なにも見えない、なにも写らない。煙いなんてものじゃない。逃げて別の場所に移るまでに、炎のピークは過ぎてしまう。風向きが変わるのをじっと待った。だからしばらくはいぶされたままだった。

 火災の取材から帰ってきたカメラマンは臭いで分かる。衣類に煙が染みついているからだ。家に帰ったら「臭うわね」。翌日会社でそんな話をしたら、「それだけいぶされたら、今年は虫も寄りつかないから大丈夫ですよ」と同僚が慰めてくれた。(写真報道局 野村成次、写真も/SANKEI EXPRESS

 ■のむら・せいじ 1951(昭和26)年生まれ。産経新聞東京、大阪の写真部長、臨海支局長を経て写真報道局。休日はカメラを持って、奥多摩などの多摩川水系を散策している。

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