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「ダイアナ」に込めた敬意と記憶 英王女「シャーロット」 元妃のミドルネームも
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新しく生まれた王女と共に病院から姿を見せた英国のウィリアム王子夫妻=2015年5月2日、英国・首都ロンドン(ロイター) 英王室は4日、ウィリアム王子(32)とキャサリン妃(33)が2日に生まれた第2子の王女の名前を「シャーロット」と命名したと発表した。王女には「プリンセス・シャーロット・オブ・ケンブリッジ」の称号が与えられ、正式なフルネームは「シャーロット・エリザベス・ダイアナ」となる。
英王室では複数のミドルネームをつけるのが慣例で、普段はシャーロット王女と呼ばれるという。シャーロットは、王女の祖父である皇太子の名前「チャールズ」の女性読みに当たり、曽祖母にあたるエリザベス女王と同じ「エリザベス」と、事故死した祖母ダイアナ元妃と同じ「ダイアナ」がミドルネームだ。王女は、皇太子、ウィリアム王子、兄のジョージ王子に次ぐ王位継承順位第4位となる。
王女に「ダイアナ」が名付けられたことは、英国で大きな関心を呼んでいる。1997年にパリで交通事故死したダイアナ元妃は、チャールズ皇太子と結婚してウィリアム王子とヘンリー王子の息子2人をもうけたが、皇太子とは不仲になり、共に不倫に走った末に離婚。王室にとってダイアナ元妃は微妙な存在となった。36歳で事故死した際には王室の対応が冷たいと批判され、王室に対する英国民の支持が下がる一因にもなった。
英国社会ではダイアナ元妃の人気はいまも根強い。ファッショナブルで旧来の王室に染まりきることなく、社会貢献活動にも積極的に取り組んだダイアナ元妃は、階層を超えた英国のアイコンとして国民の記憶に刻まれている。今回の出産に際して行われた世論調査では名前の候補の1位に挙がったほどだ。それだけに、今回の命名は「(ダイアナ元妃に)すばらしい敬意を示した」(英メディア)と好意的に受け止められている。
多感な少年期に母親を失ったウィリアム王子は、いまもダイアナ元妃に強い敬慕の念を持っているとされる。キャサリン妃と婚約した際には、ダイアナ元妃の婚約指輪をプレゼントして思いを伝えたほどだ。今回の王女の命名についても、英王室関係者は英BBC放送に対し、ウィリアム王子とキャサリン妃が決めると事前に述べていた。
王室に対する英国民の支持は、2011年のウィリアム王子とキャサリン妃の結婚を契機に上昇に転じている。さまざまな敬意が込められたシャーロット王女の命名で、ダイアナ元妃の記憶も世代を超えて英国民に受け継がれることになりそうだ。(SANKEI EXPRESS)