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米大統領選 元神経外科医、HP元CEOら出馬表明 乱戦・共和VS独走・民主 リスク潜在
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次期米大統領選で、支持者らを前に共和党からの出馬を宣言した元神経外科医のベン・カーソン氏(中央)=2015年5月4日、米ミシガン州デトロイト(AP) 来年の米大統領選で、元神経外科医ベン・カーソン氏(63)が4日、地元デトロイトでの会合で支持者らを前に出馬を宣言した。2005年までコンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)の最高経営責任者(CEO)を務めたカーリー・フィオリーナ氏(60)も4日、米テレビで出馬を表明した。さらに、米メディアによると、南部アーカンソー州のマイク・ハッカビー元州知事(59)が5日、アーカンソー州内で出馬を表明する。いずれも共和党候補として指名獲得を目指す。
カーソン氏は民主、共和両党を通じ、立候補が見込まれる唯一の黒人で、難手術に成功した実績などが評価され、米文民最高の栄誉である大統領自由勲章を受章している。
フィオリーナ氏は共和党から立候補が予想される顔触れの中で唯一の女性で、米誌から最強の女性経営者に選ばれたことがある。最近は、民主党の指名争いで独走状態のヒラリー・クリントン前米国務長官(67)に対し、経歴の割に実績が乏しいと批判を強めている。
ハッカビー氏は、民主党の最有力候補となるクリントン前国務長官の夫、ビル・クリントン元大統領(68)の生まれ故郷を地元とし、これまで戦ってきたあらゆる選挙でクリントン家に対抗してきた「実績」を前面に掲げている。キリスト教保守派などが支持基盤だ。
政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、共和党内の最新の支持率を平均すると、カーソン氏は4.8%、フィオリーナ氏は1.0%、ハッカビー氏は7.5%。(共同/SANKEI EXPRESS)
≪乱戦・共和VS.独走・民主 リスク潜在≫
2008年大統領選の共和党予備選・党員集会で善戦したマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事が5日、16年大統領選への参戦を宣言する見通しとなり、共和党からの出馬表明は6人目となる。乱戦状態の共和党と、ヒラリー・クリントン前国務長官が独走状態にある民主党。対照的な両党だが、いずれも「リスク」を抱えている。
ハッカビー氏は保守的な傾向があるキリスト教バプテスト派の元牧師。宗教保守からの支持を受け、08年大統領選では候補指名争いを左右するとされる初戦のアイオワ州党員集会を制して、注目を集めた。
共和党からは4日、コンピューター大手HPの元CEOで女性のカーリー・フィオリーナ、黒人元神経外科医のベン・カーソンの両氏が出馬表明。世論調査で上位にいるジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)、スコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事(47)も準備中だ。
貧困層出身のカーソン氏は出馬表明で「人々が政府を取り戻すときだ。『政治階級』は、どちらの党からも出てくる」と宣言した。政治エリートの含みを持つ「政治階級」は、父と兄が大統領を務めたブッシュ氏、夫が大統領だったクリントン氏を指すとみられ、フィオリーナ氏もクリントン氏を念頭に「政治階級」という言葉を使った。
共和党の候補指名争いでは、不法移民の市民権取得に道を開くオバマ政権の移民制度改革などで保守色を競う展開が予想され、ブッシュ氏ら穏健派が集中砲火を浴びる可能性がある。
一方、民主党では無所属で社会主義者を自称するバーニー・サンダース上院議員(73)が参戦したものの、クリントン氏の人気は圧倒的だ。ただ、クリントン氏は慈善団体への外国からの寄付などが批判されており、「疑惑」で人気を失うリスクをはらむ。
複数の米メディアは1つの選択肢に賭ける民主党の現状を「ギャンブル」と評している。(ワシントン 加納宏幸/SANKEI EXPRESS)