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【ボクシング】19歳・田中、日本最速5戦目で世界王座 WBOミニマム級
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7R、攻める田中恒成(こうせい、左)=2015年5月30日、愛知県小牧市のパークアリーナ小牧(森田達也撮影) 世界ボクシング機構(WBO)ミニマム級王座決定戦12回戦が30日、愛知県小牧市スポーツ公園総合体育館で行われ、同級2位で19歳11カ月の田中恒成(畑中)が同級1位のフリアン・イエドラス(メキシコ)に3-0の判定で勝ち、日本選手最速となるプロ5戦目で世界王座に就いた。
田中はスピードと有効打で上回り主導権を握った。2014年4月に世界ボクシング評議会(WBC)ライトフライ級王座を獲得した井上尚弥(大橋)の6戦目を塗り替えた。
リング上で名前が読み上げられた時、浮かんだのは安堵の表情だった。自身最長の12ラウンドを闘い抜いた田中。日本選手最速の世界王者という肩書と、その証しであるベルトを手にし「ずっとこれを目指してやってきた」と晴れやかに語った。
序盤から、距離を取る田中にイエドラスが詰めるという構図。
「緊張したけど地に足を付けてスタートできた」と引き際の左ジャブから攻撃を組み立てる。2回には右ストレートでよろけさせ、主導権を握った。
畑中会長、そして田中自身が「頭を使えるボクサー」と表現する。試合の中で得た情報を生かす能力にたけているのだ。中盤、相手得意の接近戦に持ち込まれ足が止まりかけたが「力も打たれ強さも予想どおり」と分析すると、再び自分のスタイルへ。冷静な戦術眼で最後まで的確にポイントを積み重ねた。
記録への関心に初の世界戦の重圧。さらには減量の苦しさも重なり「押しつぶされそうにもなった」と明かす。それでも「勝たなきゃいけない試合」と言い聞かせて乗り越えた。一皮むけた新王者。「課題もたくさん見えた」と語る姿は、さらなる飛躍を予感させた。(SANKEI EXPRESS)