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【FIFA汚職】ブラッター氏辞意表明 「ターゲットは会長」米の自信
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辞意を表明した後、記者会見の壇上から降りる国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長=2015年6月2日、スイス・チューリヒ(ロイター) 国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長(79)=スイス=は2日、スイスのチューリヒで記者会見を開き、辞意を表明した。FIFAは今年12月から来年3月の間に臨時総会を開き、後任を選ぶ会長選挙を行う方針。ブラッター氏は後任が決まるまで会長職を継続する。一方、複数の米メディアは、米司法当局が起訴したFIFA幹部らから司法取引などを通じて証言を引き出し、ブラッター氏の立件を目指していることを伝えた。幹部を含む14人が起訴されたFIFAの汚職事件は、1998年からFIFAに君臨してきたブラッター氏の辞任に発展、トップの刑事訴追を視野に入れた新たな局面を迎えた。
ブラッター氏が辞意を表明した記者会見の案内が報道各社に届いたのは開始予定時間のわずか約1時間半前。その予定時間から約45分も遅れて記者会見の会場に姿を現したブラッター氏は、用意した声明文をフランス語で読み上げた。
自身の再選について「サッカー界にとって最善と思って(立候補を)決断した」と述べる一方、「ファンや選手などサッカー界全体の支持を受けているわけではない」と辞任理由を説明。「FIFAの苦難は続いている。徹底的な見直しが必要だ」と述べ、退任まで組織改革に傾注する考えを示した。汚職事件については何も言及せず、質問も受け付けなかった。
「(ブラッター氏は)メーン・ターゲットだ」
米紙ニューヨーク・ポストは2日、米捜査関係者の話を伝え、起訴がFIFAトップにまで及ぶ可能性を指摘した。
汚職事件をめぐっては、2010年ワールドカップ(W杯)を招致した南アフリカ側から賄賂を受け取り、起訴されたジャック・ワーナー元FIFA副会長(72)=トリニダード・トバゴ=に対して送金手続きを行った人物が、ブラッター氏側近のジェローム・バルク事務局長(54)=フランス=である疑いが浮上。FIFA側はバルク氏の関与を否定したが、サッカー協会から送金の趣旨を説明したバルク氏宛ての書簡も表面化している。
先月末に公開された起訴状は、ブラッター氏の名前に言及していないが、ブラッター氏は、起訴された副会長らが名を連ねた理事会を束ねた実力者だ。米司法当局はブラッター氏やバルク氏と汚職事件との関連について、元副会長らから詳しく事情を聴く方針とみられる。
米当局者は2日、米ABCテレビに対し、「自分自身を救いたいため、誰が最初に(ブラッター氏に)背を向けるかの競争になるだろう」と述べ、起訴されたFIFA幹部らから司法取引などを通じて、ブラッター氏に関する証言を引き出せるとの自信を示した。
これまで起訴された14人に対しては、ゆすりや贈収賄など、個人や組織の不正行為を取り締まる「RICO法」と呼ばれる米国法が適用されている。1970年秋に発効したRICO法は、公務員のみならず企業や団体の幹部も訴追対象となり、個人には最大で禁錮20年が科せられる。米国籍も持つエウヘニオ・フィゲレド前副会長(83)=ウルグアイ=にはさらに重い刑が科されるとの指摘が出ている。(SANKEI EXPRESS)