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誇りの南軍旗「撤去する時がきた」 米教会乱射犯が使用 共和党からも支持
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米サウスカロライナ州の州都コロンビアの議会議事堂(奥の建物)の前庭に掲げられている「南軍旗」=2015年6月20日(ロイター) 黒人9人が死亡する教会での銃乱射事件が起きた米南部サウスカロライナ州の議会議事堂の前庭に掲げられている南北戦争(1861~65年)時の「南軍旗」を撤去するよう求める声が高まっている。掲揚賛成者が多い保守派の共和党の有力議員が次々と撤去支持を表明し、共和党のリッキー・ヘイリー州知事(43)も22日、議会に撤去を求めた。小売業世界最大手の米ウォルマート・ストアーズも旗の販売中止を決めた。銃乱射事件の犯人が白人至上主義の象徴として使っていたためだ。一方で、旗を南部の誇りと伝統を示すシンボルと位置づける保守層の住民も多く、波紋が広がっている。
「多くの人々にとって南軍旗は人種憎悪の象徴だ。犠牲者を悼むためにも直ちに撤去すべきだ」。2012年米大統領選でバラク・オバマ大統領と闘った共和党の重鎮、ミット・ロムニー氏(68)は22日までに、ツイッター上でこう表明した。
来年の大統領選に向けた党予備選への出馬を表明したジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)も同じくツイッター上で、「私たちはフロリダの州議会の敷地にあった旗を博物館に移すため、行動を起こした」と書き込んだ。予備選を争うマルコ・ルビオ上院議員(44)も撤去賛成の姿勢を示した。
南軍旗は南北戦争時代、北部諸州と闘った南部諸州の「誇り」であり、戦没者20万人前後を追悼するシンボル。一方で、南部諸州が奴隷制度を擁護していたほか、白人優越主義者の秘密結社「クークラックスクラン(KKK)」も儀式時に南軍旗を使用しており、かねてから黒人住民は撤去を求めていた。
共和党内から撤去支持の声が相次ぐ中、これまで慎重だったヘイリー州知事は22日、「多くの人たちに苦痛をもたらしている。南北戦争から150年を経て、撤去するときがきた」と明言した。州議会で旗撤去を実現するには、3分の2以上の賛成が必要で、今後、保守派議員への説得工作を行うとみられる。
サウスカロライナ州では1960年代初頭から議事堂の上に南軍旗が掲揚されていたが、黒人住民に配慮する形で2000年に前庭に降ろされた。しかし、これを推進した当時のデイビッド・ビースリー州知事(共和党)が98年の選挙で黒人住民から十分な支持を得られなかったばかりか、共和党支持者から背を向けられ、敗北した経緯がある。掲揚賛成派の住民はなお多く、撤去に賛同する議員を集めるのは容易ではない。
一方、南軍旗のデザインを州旗に取り込んでいる南部ミシシッピ州でも22日、フィリップ・ガン下院議長(共和党)が「(デザインは黒人への)侮辱」」として排除を主張した。州旗は1894年に採用され、2001年の住民投票でも使用が承認されている。
米CNNテレビによれば、旗の販売を中止するウォルマートの担当者は「私たちの商品で不快感を与えなくない」と強調。ネット通販も中止するとしている。(黒沢潤/SANKEI EXPRESS)