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【大相撲】栃煌山、横綱連破 賜杯争いに名乗り
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栃煌山(とちおうざん)がはたきこみで白鵬を下す=2015年7月21日、愛知県名古屋市中区の愛知県体育館(榎本雅弘撮影) 大相撲名古屋場所10日目は21日、愛知県体育館で行われ、横綱白鵬が1敗の関脇栃煌山(とちおうざん)にはたき込みで敗れ、初黒星を喫した。栃煌山は鶴竜(かくりゅう)に続き、2日連続の横綱戦勝利。小結宝富士をはたき込んだ横綱鶴竜、魁聖(かいせい)を上手投げで下した新大関照ノ富士も9勝目を挙げ、4人が1敗で首位に並んだ。
またも番狂わせを起こした。栃煌山が白鵬を倒し、2日続けて結びの一番で全勝の横綱に土をつけた。座布団が舞う土俵で勝ち名乗りを受け、「平常心で相撲が取れた」とうなずいた。
立ち合いの踏み込みで劣り右を差されたが、棒立ちにならない。重心を低く保って相手の足がそろったところで、左に回りながら相手の右肩をはたき込み手をつかせた。
2場所続けてとったりであっさり敗れるなど、白鵬にはこれまでまったく歯が立たなかった。過去29度の対戦で勝ったのはたった1度。14連敗中だったが「何が来てもしっかり低く、重く当たろうと思っていた」。この日は、自らの持てる力を発揮することに集中できたのが功を奏した。
優勝争いを面白くさせる価値ある1勝でもある。白鵬と鶴竜、照ノ富士が1敗で並んだ。栃煌山はすでに2横綱2大関を撃破し、残る上位との対戦は11日目の豪栄道戦のみ。井筒審判部副部長(元関脇逆鉾(さかほこ))は「一番有力な感じがする」と優勝候補筆頭に挙げた。
3年前の夏場所は優勝決定戦で旭天鵬に敗北。再び賜杯獲得に挑戦するチャンスが巡ってきた。「このままどんどん調子に乗っていきたい」と宣言。9年半ぶりの国内出身力士の優勝へ、上昇ムードで勝負の5日間に臨む。(藤原翔/SANKEI EXPRESS)