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科学
フェイスブック、空からのネット接続サービスを可能にするドローンを公開
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フェイスブックが開発した巨大ドローン「アクイラ」(AP) 交流サイト(SNS)世界最大手、フェイスブック(FB)は、インターネット接続環境が未整備な地域で、上空からサービスを提供するための巨大無人飛行機(ドローン)1号機を完成させた。年内に飛行テストを実施し、早期の実用化を目指す。空からのネット接続をめぐっては、米グーグルもベンチャー企業を買収して、5年間飛び続けることができるドローンの開発に取り組んでおり、“空中戦”がいよいよ本格化してきた。
米紙ニューヨーク・タイムズや米CNNテレビ(いずれも電子版)などによると、ラテン語で鷲(わし)を意味する「アクイラ」と名付けられた巨大ドローンは、ブーメランのような形状で、主翼の幅は米ボーイングの旅客機「737」と同じ約42メートル。炭素繊維を用いることで機体の重量を約400キロに軽量化した。
FBの説明では、アクイラは気球で成層圏までつり上げられ、切り離されるという。翼に張り付けられたソーラーパネルで発電しながら、民間機の高度を上回る1万8000~2万7000メートルを約3カ月飛行するという。
飛行中は、FBが新たに開発したレーザー技術を駆使し、毎秒10ギガビットのデータを送信する。データ送信能力は、従来の10倍にあたるという。1機当たり半径50キロの範囲でインターネット接続ができるようになるとしている。
現在、世界人口73億人のうち、約40億人は通信環境が整っていない地域に住んでおり、インターネットに接続できない。また、携帯電話などが利用できない人も、世界人口の10%に達する。FBは巨大ドローンを使うことで、手付かずの市場を開拓し、自社サービスの利用者を大幅に増やす狙いがある。
FBによると、昨年、英のドローンメーカー、アセンタ社から引き抜いた技術者でプロジェクトチームを結成。彼らが約14カ月かけてアクイラを完成させた。
FBのCEO(最高経営責任者)、マーク・ザッカーバーグ氏(31)は「飛行機からレーザーを飛ばして新しいネット環境を作るなんて、まるでSFの世界だけど、大抵の場合、SFというのは時代に先んじた科学のことなんだ」と強調。「数カ月後から現実世界で飛行実験を行い、実用化に向け、技術を向上させる」と話した。
FBは昨年から、アフリカなどの途上国で携帯電話会社などと提携して、無料のインターネット接続サービスを提供する世界組織「インターネット・オルグ」を結成。これまでに17カ国の計10億人が新たにネットを使えるようになった。
ライバル会社の動きも激しい。米グーグルも2013年、成層圏まで上昇させた気球から電波を送り、辺境地でのネット接続を可能にする「プロジェクト・ルーン」の実験に成功。
さらに昨年4月には、大気圏の上層を最大5年間無着陸で飛べるドローンを開発する米ベンチャー企業、タイタン・エアロスペースを買収し、FBと同じようにドローンによる空からのネット接続サービスに乗り出している。
タイタンは当初、FBも買収を計画していたが、結局、グーグルに先を越された経緯があり、FBではアクイラを早期に実用化させることで、一気に巻き返しを図るとともに、約40億人という巨大インターネット市場の開拓を本格化させる。(SANKEI EXPRESS)