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SNS通し若者たちの内面描く 映画「共犯」 チャン・ロンジー監督インタビュー
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「偶然、女性キャストがすごい美人ばかりになってしまいました」とPRするチャン・ロンジー監督=2015年6月4日、東京都新宿区(高橋天地撮影) 青春映画を得意とする台湾のチャン・ロンジー(張榮吉)監督(35)の長編第2作「共犯」は、学園生活を舞台にしたミステリー作品。夢へと突き進む視覚障害のピアニストの青春を描いた前作「光にふれる」とは作風がガラリと変わり、ほとんど面識のなかった高校生3人がそれぞれの思惑から、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス=会員制交流サービス)を駆使して女子高生の自殺の真相に迫っていく-という、いかにも身近にいそうな現代の若者たちの内面に肉薄した。
孤独な高校生のホアン(ウー・チエンホー=巫建和)は通学途中、同じ学校の女生徒、シャー(ヤオ・アイニン=姚愛●(=密の山が再の旧字体の上の一を取る))の変死体を発見する。偶然、通りかかった不良のイエ(チェン・カイユアン=鄭開元)、優等生のリン(トン・ユィカイ=●(=登におおざと)育凱)と意気投合し、一緒に彼女の死の謎を探ろうとするが…。
チャン監督は本作でSNSに注視した理由について、「SNSは今の若者たちにとって、もはや日常的なコミュニケーションツールとなってしまいました。私が映画を撮るならば、SNSに注目せずに若者を描けないと考えていました。だから、脚本家にはそう強く主張して、新たにSNSを活用する主人公たちの描写を大幅に脚本に加えていったのです」と説明した。
ちなみに、チャン監督自身も「facebook(フェイスブック)のヘビーユーザー」であり、タイムラインに掲載する文章の表現については、いつも「誰かを不快にさせないか」と神経をとがらせているそうだ。「やはり社会批判とか、政治的な内容は避けています。子供の写真とか、映画に関する話題をいつもアップしてますね」
本作は、日本の人気バンド「flumpool」が主題歌を担当し、エンディングを飾ることでも話題となった。タイトルは「孤獨」で、彼らのヒット曲「強く儚く」を中国語で歌ったものだ。彼らのファンであることを公言するチャン監督は「ぜひ彼らの楽曲を使いたいと思っていました。実はこの映画の出資者であるレコード会社に頼んで紹介してもらったのです」。現代の若者の孤独を表現した本作にはぴったりと満足そうだ。
次の作品も青春映画を思い描いているのだろうか? 「人生のいろんなステージで、抱く興味もやはり違ってくるものでしょう。次は、青春映画とは違うものを描いてみたいし、もう学園ものは撮らないつもりです」。7月25日、東京・新宿武蔵野館で公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)
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