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科学
自律型ロボ 五輪にらみ運用ルール 狙いは国際標準
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自律移動型ロボットのルール策定で普及が急速に進む可能性も=2015年7月12日、東京都内(AP) 政府は16日、自ら判断し行動する自律移動型ロボットの運用ルールを2018年度までに整備する方針を固めた。空港などでの実証実験を通じて人に対する安全性を確保するルール作りを進め、2020年の東京五輪までに公共の場での本格運用を目指す。小型無人機「ドローン」のように規制が後手にならないよう対応を急ぐとともに、国際規格のルールを策定してロボット利用で世界をリードすることを狙う。
17年度に国内外から自律移動型ロボットを開発している企業・団体を公募し、18年度に成田・羽田両国際空港や日本科学未来館など先端施設がある東京・お台場地区、市街地などで実証実験を行う。実験結果を分析し、一般環境での安全な運用を確保するために必要なルール作りを進める。具体的にはロボットの動作速度や大きさ、外装の素材などの規定や、障害物などに衝突した場合に自動停止する機能搭載の義務付けといった規制も検討する。
現在、自律移動型ロボットの運用については詳細な規定や法律はないが、すでに一部の公共施設内などで来館者を案内するロボットや施設内の清掃、警備・巡回を行うロボットなどが利用されている。また、ソフトバンクが6月に一般向けに販売した人型ロボット「Pepper(ペッパー)」の初回販売分1000台が完売するなど消費者にも身近になっており、「今後、自律移動型ロボットの普及が急速に進む可能性がある」(政府関係者)とされる。
政府がロボット運用のルール作りに着手する背景には、4月に首相官邸の屋上にドローンが落下した事件の影響もある。ドローンなどの無人機は、運用上の具体的なルールや法規制が整備されていない中で急速に普及し、人混みでの落下事故などの問題が起こっている。自律移動型ロボットについても、運用次第では事故につながる可能性があるとみて、「想定される問題を考慮しながら、先にルール作りを進めるべきだと判断した」(政府関係者)。
一方、政府はこうしたルールを他国に先駆けて整備し、国際規格化させることで、日本に世界中のロボット技術が集積する効果も期待する。運用の実証実験も、空港などの施設をロボットの海外売り込みに向けた“見本市会場”と位置づけることで、「ロボット先進国」を世界にアピールする狙いがある。
≪トヨタ 生活支援ロボ開発で産学連携≫
トヨタ自動車は16日、障害者らの生活を支援するロボット「HSR」の開発で、外部研究機関と連携する新組織「HSR開発コミュニティ」を9月に発足すると発表した。
新組織は当初、HSRを共同研究する大学など数機関が参加。さらに、年内には公募で企業や大学など約10機関を選定し、来年4月から2年契約を結ぶ予定だ。参加した機関などにトヨタが開発中のHSRを貸与し、音声認識や制御技術などの向上につなげる。研究成果を組織内で共有するほか、実証実験も支援して早期の実用化を目指す。
HSRは円筒形のボディーに備えた長さ約60センチの「腕」を使い、歩行が困難な障害者らの代わりに室内のものを取ってくるなどの用途を想定する。トヨタは2012年にHSRを発表してから大学などと改良を続けてきたが、より幅広い枠組みをつくり、開発の加速や技術革新につなげたい考えだ。(SANKEI EXPRESS)