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日米巨大ロボ、誇り懸け対決へ 海外でも反響 「日本の文化…負けられない」

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日米巨大ロボ、誇り懸け対決へ 海外でも反響 「日本の文化…負けられない」

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今年の東京おもちゃショーに登場した巨大ロボット「クラタス」。量産化も想定されているが、高額のため、発注はまだないという=2015年6月18日、東京都江東区の東京ビッグサイト(ロイター)  日米の巨大ロボットが格闘戦で対決へ。人が搭乗して操縦する巨大トイロボット「クラタス」を開発した日本のロボット製作ユニット「水道橋重工」は、米国のロボット開発チーム「MegaBots(メガボッツ)」から申し込まれたロボット同士の“決闘”を受けて立つと発表した。水道橋重工を率いる造形美術家で鍛冶師の倉田光(みつ)吾(ご)郎(ろう)氏(42)は「巨大ロボットは日本の文化。他の国に勝たせるわけにはいかない」と意気込む。鉄人28号、マジンガーZ、ガンダム、トランスフォーマー、エヴァンゲリオン…等々、営々と系譜が受け継がれる伝統を日本が死守できるのか、海外からも注目されている。

 動画で「果たし状」

 メガボッツは6月30日、この日完成したばかりの米国初の搭乗型巨大ロボ(2人乗り)「メガボッツ・マーク2」を動画で公開。この中で、共同開発者の一人、グイ・カバルコンティー氏が「水道橋! 君たちには巨大ロボットがある。僕たちも巨大ロボットを手に入れた。次に何が起きなきゃならないか分かるだろう? 決闘を申し込む。1年後に戦おう」と挑戦状をたたきつけた。

 メガボッツ・マーク2は高さ約4メートル60センチ、重さ5400キロ。本物の兵器ではないが「ものすごくでかい銃」を備え、1キロのペンキ砲弾を時速160キロで発射できる。動画の中では、ペンキ砲弾によって乗用車が粉砕されるシーンも披露された。

 「全力で…負けねぇ」

 挑戦に対して倉田氏は6日、アンサー動画を公開。「よし来た、挑戦を受ける。でももうちょっとかっこよく作れよ。でかいものに銃を付ければいいというのはアメリカ文化そのもの、アメリカ丸出しだ」などと挑発した。決闘のあり方についても、「ぶん殴って倒した方が勝ちというのがやりたい」と格闘戦を要求した。

 さらに倉田氏はブログでも「自分で作ったロボット自慢したくてこんなバカ動画送ってくる連中。まだ会った事もないけど、オレ、こういう連中大好きだもん。全力で遊んでやんよ。でも負けねぇぞ」と闘志を燃やした。

 倉田氏がロボット制御エンジニアの吉崎航(わたる)氏と3年前に約100万ドル(約1億2000万円)の開発費で完成させたクラタスは、メガボッツ・マーク2よりもやや小ぶりで、高さ4メートル、重さ4000キロ。腹部がコックピットになっていて乗員1人が乗って操作でき、時速10キロでの走行も可能だ。ディーゼルエンジンで油圧ポンプを動かし、関節は油圧モーターや油圧シリンダーで動く仕組みになっている。

 定期戦、他国参戦も

 倉田氏の挑戦受諾後、カバルコンティー氏は米メディアに「楽しみだ。対戦場所は日米ではなく、中立国がいいと思う。現状では彼らの技術の方が先を行っており、クラタスはマーク2よりも動きが3倍速い。強敵だが、1年あれば追いつき、追い抜ける」と自信を示した。さらに、「定期戦化し、ゆくゆくは他の国のロボットにも参加してもらったら盛り上がる」とも語った。

 「日米巨大ロボ対決」は海外でも大きな反響があり、特に中国のインターネット上では大きな話題に。「日本のロボットの方が精密な感じ。米国のロボは単純。日本に秒殺されそうだ」「日本とまた差が開いた。でも大丈夫。米国でいいロボが開発できたら中国人がその会社を買収すればいい」-などといった書き込みがネット上で躍っている。

 「絶対やりますよ」(倉田氏)。単なるアニメや玩具の世界を超越した文化と誇りをかけた決戦の幕が切って落とされた。(SANKEI EXPRESS

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