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経済
トヨタ 「北米頼み」の過去最高益 4~6月期 国内、新興国てこ入れ急務
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2015年4~6月期決算を発表するトヨタ自動車の大竹哲也常務役員=2015年8月4日、東京都文京区(宮川浩和撮影) トヨタ自動車が4日発表した2015年4~6月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比9.1%増の7560億円となり、4~6月期として2年連続で過去最高を更新した。北米販売が好調だったほか、円安効果が業績を押し上げた。ただ、消費税増税の影響が続く国内のほか、アジアや中近東などの新興国の販売が落ち込んだ。中国も先行き不安が強まっており、“北米頼み”が一段と鮮明になった。
売上高は9.3%増の6兆9876億円と8年ぶりに最高を記録。最終利益も10.0%増の6463億円と3年連続で最高益となった。輸出の採算が改善する円安効果(1450億円)やコスト削減効果(600億円)が増益要因として大きく寄与した。
16年3月期連結業績は、売上高を当初予想から3000億円引き上げ、前期比2.1%増の27兆8000億円に上方修正。2年連続で最高となる見通しだ。営業利益(1.8%増の2兆8000億円)と最終利益(3.5%増の2兆2500億円)は据え置いたが、それぞれ3年連続の最高益を見込む。グループのダイハツ工業と日野自動車を含む15年(1~12月)の世界販売計画は3万台引き下げ、1012万台に下方修正した。
15年上期(1~6月)の世界販売では、4年ぶりに独フォルクスワーゲン(VW)に首位を奪われた。北米頼みが鮮明となるなか、国内と中国をはじめとする新興国での販売の立て直しが持続的成長のカギとなる。
都内で会見した大竹哲也常務役員は世界販売について「北米は堅調だが、日本やアジアは減少している」と述べた。
4~6月期のグループ販売台数は211万4000台で、前年同期から12万7000台の減少。営業利益の増益額は、円安による押し上げ効果(1450億円)の半分以下の632億円にとどまり、販売減が足を引っ張った。
唯一好調な北米は原油安や景気回復を追い風にピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)の販売が伸び、前年より約2万台増加した。需要を取り込もうと、カナダ工場に約400億円を投じて設備を増強し、年内に高級SUVの生産を開始する計画だ。
一方、お膝元の国内は今年4月の軽自動車税増税などで、傘下のダイハツ工業の販売が苦戦し、グループで3万6000台減少。新興国では高いシェアを維持してきたインドネシアやタイが景気減速の直撃を受け、アジア全体で5万7000台落ち込んだ。
世界最大市場の中国も懸念材料だ。足元の販売は前年を上回り、年間110万台達成に自信を見せるが、経済成長の鈍化に加え、上海株下落による購買意欲の低下も避けられない。値下げ競争が激しくなっており、大竹氏は「収益は楽観を許さない」と危機感を示す。
トヨタはこの日、中国・天津の既存工場の生産を17年に打ち切り、約590億円を投じて新工場を建設すると発表した。18年半ばに稼働予定で、生産能力は年10万台とやや減少するが、需要の変動に柔軟に対応できる設備にして競争力を高める狙いがある。
5月には東南アジアで新興国向け戦略車を投入したほか、国内では、年後半に主力ハイブリッド車(HV)「プリウス」の全面改良も予定しており、北米頼みからの脱却を急ぐ考えだ。
≪日産、富士重も大幅増益≫
自動車大手8社の2015年4~6月期連結決算が4日、出そろった。トヨタ自動車と日産自動車、富士重工業は主力の北米市場が好調だったほか、円安も追い風になり、最終利益が4~6月期として過去最高だった。一方、景気の減速懸念が強まっているアジアが主力の三菱自動車は苦戦。軽自動車税増税の影響でダイハツ工業も振るわなかった。
ホンダは、国内販売が27.2%減と落ち込む一方、北米で小型SUVが人気で、最終利益は19.6%増の1860億円だった。日産も国内販売は10.0%減だったが、北米や欧州が好調で、最終利益は36.3%増の1527億円。富士重工は最終利益が61.1%増で全四半期を通じて最高となった。
一方、国内の軽自動車販売が落ち込んだダイハツと、国内外で不振だった三菱自は、ともに減収減益だった。(SANKEI EXPRESS)