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〈世界史〉を哲学する社会学者の大冒険 大澤真幸が日本人に「普遍」を引き寄せてくれている 松岡正剛

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〈世界史〉を哲学する社会学者の大冒険 大澤真幸が日本人に「普遍」を引き寄せてくれている 松岡正剛

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 大澤真幸は柔らかくて鋭くて、どんな学問領域にも広がりを惧(おそ)れないまま突っ込めて、それでいて社会学者としての仁義と尊厳にもひとかどのものを払ってきた。なかなかこういう「編集力」に長けた思想者は学者業界にはいないので、いろいろ付き合ってきた。おもしろい相手とならたちまちにして愉快な思想対話を実現させる「おしゃべり」になってくれるところも、大好きだ。

 その大澤君が「群像」の2009年2月号から「〈世界史〉の哲学」を連載しはじめて、あれよあれよというまに4冊の大冊を上梓した。古代篇・中世篇・東洋篇・イスラーム篇である。上の写真で見られる通り、帆足英理子と浅葉球のブックデザインも、これは名実ともに本屋では売りにくいだろうなと思うほど、たいへん象徴的だ。角背の製本なので、700ページもある東洋篇はまるで秘密結社の煉獄門のように開きにくい。

 〈世界史〉をどのように捉えるかという作業は、ヨーロッパの歴史学そのものの命題であって、それ自体が「普遍」を記述するための作法をつくってきた。日本ではその成果を借りるかっこうで学習してきたことはいくらもあるけれど、明治維新で「近代の論理」に出会った日本歴史そのものは、〈世界史〉の作法が身についているとは言えない。

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