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〈世界史〉を哲学する社会学者の大冒険 大澤真幸が日本人に「普遍」を引き寄せてくれている 松岡正剛

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〈世界史〉を哲学する社会学者の大冒険 大澤真幸が日本人に「普遍」を引き寄せてくれている 松岡正剛

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 【KEY BOOK】「〈世界史〉の哲学/東洋篇」(大澤真幸著/講談社、3456円)

 シリーズ最大の東洋篇は、大澤にとっても新鮮な挑戦だったと思う。挑戦は、従来の歴史学が西洋と東洋の対比に終始するところを、インドと中国の社会観の対比に組み替えた視点によって勢いをもった。とくにマンダラと華夷(かい)秩序、天と支配、正名と贈与をめぐる思索が興味深かったが、ここから、富永仲基がインドは「幻」、中国は「文」、日本は「絞」と比較してみせたような大胆な三点突破主義ふう議論があらわれてもよかった。

 【KEY BOOK】「〈世界史〉の哲学/イスラーム篇」(大澤真幸著/講談社、2160円)

 キリスト教とイスラム教は同じ「神」を抱いている。けれどもイスラム社会には「シャーリア」という西洋にはない法と掟があるし、「利子をとらない銀行」もある。そこに本篇は分け入って、たんなるイスラム主義の説明には堕さず、〈世界史〉の「普遍」の切り口をもって記述しきっていた。そのうち今日の自爆テロに突入していったイスラムの行動思想にも言及してもらいたいが、それはまだどんな社会学者も試みていないことなのだ。(編集工学研究所所長・イシス編集学校校長 松岡正剛/SANKEI EXPRESS

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