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縦割り行政の弊害 水害と五輪問題に共通 渡辺武達

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縦割り行政の弊害 水害と五輪問題に共通 渡辺武達

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 あいまいな責任の所在

 一方の五輪問題も役所の縦割りの弊害が表れた。五輪憲章には、五輪は都市が開催するイベントであるとしているが、国家イメージの向上、愛国心の高揚に役立つから、どこも国家が乗り出す。東京五輪は、東日本大震災からの復興を世界にアピールするという目的もあり、安倍晋三首相が、2年前の招致決定のIOC(国際オリンピック委員会)総会に出かけていき、「(福島第1原発の汚染水は)完全にコントロールできている」と大見えを切ったわけだ。

 新国立競技場の建設も国家の威信を締めそうと、国の文部科学省が所管する日本スポーツ振興センター(JSC)が建設主体となり、文科省、JSC、東京都の3者の間で責任の所在があいまいになった。

 五輪憲章は、その開催目的を「スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てることにあり、その目的は人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある」としているが、日本の現状はほど遠い。震災からの復興という点でも、五輪関連の建設需要のあおりで、被災地では作業員の不足や資材の高騰などの影響が出て、学校などの建設に支障がおよび、五輪への恨み節すら聞かれる。

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