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タイで勢い増すコンビニ業界 今後5~10年で3万店到達も
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タイは今や東南アジアの“コンビニ文化”の中心地であり、消費者は21世紀のライフスタイルの一部として、コンビニエンスストアでの買い物を楽しんでいる。
バンコクをはじめとする主要都市では、多くの街角にコンビニがある。コンビニ業界の勢いは数字にも表れている。タイ小売業協会のリポートによると、2012年末時点のコンビニ店舗数はタイ全体で1万2246店だった。現地紙バンコク・ポストが報じた。
不動産業を手がけるコリアーズ・インターナショナル・タイの幹部によると、タイのコンビニ業界は、7000店近くを展開する日系のセブン-イレブンがシェア約69%で圧倒的首位に立つ。
第2位は850店以上を展開する英系のテスコ・ロータス・エクスプレスで、シェアは8.6%だ。
コンビニ各社の出店計画によると、セブン-イレブンは18年までに1万店、日系のファミリーマートは17年までに3000店(12年末時点で620店)、地場系ミニビッグC(同111店)は16年までに850店の達成を目指している。
市場アナリストによると、タイのコンビニ店舗数は今後5~10年で3万店に達する可能性がある。
一方、コンビニ以外にも小規模な小売り店舗が増えている。タイの当局はこれまで、家族経営の地元商店を保護するために大型スーパーマーケットに規制をかけてきた。
地価上昇や地元住民の反対もあり、場所によっては大型スーパーが進出できないこともあった。
小売り各社は柔軟に対応し、売り場面積300~2000平方メートル程度の小規模店舗の出店に注力することでシェアの維持・拡大を図ってきた。
小規模店舗は、鉄道や幹線道路沿いに増える高層ビルに入居する場合にも好都合だ。こうした要因から、既存の小売りチェーンが拡大するとともに、健康や美容などをコンセプトとした新規チェーンの参入も進んでいる。
地場スーパー大手トップス・スーパーマーケットの幹部は「競争が激しくなれば、国際基準に合わせて店舗の規格や内装、販売方法なども進歩し、顧客にとってもプラスになる」と指摘する。(シンガポール支局)