SankeiBiz for mobile

「インパクトある規模の政策を」 日銀4月決定会合の議事要旨

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

「インパクトある規模の政策を」 日銀4月決定会合の議事要旨

更新

日銀の黒田東彦総裁  日銀は2日、黒田東彦(はるひこ)総裁の下で初開催し、「量的・質的金融緩和」を決めた4月3、4日の金融政策決定会合の議事要旨を公表した。白川方明(まさあき)・前総裁時代の緩和策ではデフレ脱却に至っていないとして、政策委員が「量と質の両面で次元の違う金融緩和を行う必要がある」との認識で一致していたことが明らかになった。

 9人の政策委員のうち、3月に就任した正副総裁3人を除く6人が、白川氏が総裁だった時代から続投。黒田総裁の就任を機に、委員の姿勢が大きく変化したことが浮き彫りとなった。

 白川前総裁時代の緩和策については、委員から「国民からは(日銀が1月に導入した)2%の物価目標の達成には不十分とみられている」などの意見が相次いだ。「戦力の逐次投入はしない」との考えで一致し、何人かの委員は「2%の物価目標の実現に必要な政策は全て決定したと市場に受け取られるよう、インパクトのある規模の政策とすることが重要」と述べた。

 一方、大規模緩和の副作用を懸念する声もあった。少なくとも2人の委員が、金利が下がりすぎると機関投資家の資産運用が圧迫されたり、日銀が緩和強化のために長期国債を大量に購入すれば国の財政赤字を穴埋めするとの観測を高める可能性があるとした。

 白川前総裁の下で最後に開いた3月6、7日の決定会合では、委員から「緩和の枠組みとそのコンセプトを見直すタイミングが近づいている」との意見も出たが、この時点での政策変更には慎重な意見が大勢を占めた。日銀は新体制発足を受け、この約1カ月後に全面的な政策転換に踏み切ったことになる。

ランキング