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インド、貧困層向け配給拡大に不安の声 食糧安保法実施で財政圧迫

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

インド、貧困層向け配給拡大に不安の声 食糧安保法実施で財政圧迫

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 インドの食糧配給制度が議論を呼んでいる。同国政府は貧困層にコメなどの食糧を市価の10分の1以下という低価格で配給する「食糧安全保障法」の法案を策定、実施を目指すが、1兆3000億ルピー(約2兆1580億円)ともされる莫大(ばくだい)な年間予算を要することなどから、実施を不安視する声が上がっている。現地紙インディアン・エクスプレスなどが報じた。

 同国ではすでに貧困層向けの食糧配給制度が運用されており、同法案が実施されると配給対象者が現制度の3億1800万人から総人口の約7割に当たる8億1000万人に拡大する。それにともなって年間予算も今年度(2013年4月~14年3月)の9000億ルピーから45%増の1兆3000億ルピーに膨れ上がる見込みだという。

 これに対し、同法案自体が財政健全化を目指すインド政府の方針に反するのではないかと指摘する声が上がっている。地場シンクタンク幹部は、昨年度に国内総生産(GDP)の5%だった国の経常赤字を今年度は4.8%に抑えるとしたチダムバラム財務相の発言を例に挙げ、「それでなくとも借金体質が染みついた政府だ。財務相にとってはあらたな頭痛の種になるだろう」と皮肉な見解を述べた。

 また、配給する農産物は政府が買い取るが、大量の農産物を直接買い取ることで、品質向上への意識が薄れるなど農家への心理的影響が生じると懸念する意見もある。コメと小麦を例に取ると、実施に必要な総量は現在の年間生産量約2億トンの3分の1に当たる6100万トンに達するとみられており、市場への影響も必至だ。

 その他にも人口増や物価上昇などで政府支出が増加した場合に配給を維持できるのか、食糧が配給に至る前に半分が消失しているとされる公共配給制度の改革はどうするかなど、同法案実施には問題が山積している。

 食糧安全保障法は09年の総選挙時の公約だったこともあり、与党(国民会議派)は来年5月に予定されている次回総選挙までに実施に移したい考えだ。

 汚職やスキャンダルから目をそらすための大衆迎合政策だとする反対派の厳しい声が上がる中、シン政権は難しいかじ取りを迫られている。(ニューデリー支局)

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