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「強い農業」へ将来像議論 食料・農業・農村審へ基本計画改定諮問

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「強い農業」へ将来像議論 食料・農業・農村審へ基本計画改定諮問

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審議会であいさつする林芳正農林水産相(中央)=28日、東京都千代田区  農林水産省は28日、農政の中長期の指針となる「食料・農業・農村基本計画」の改定に向けた議論を開始した。安倍晋三政権が昨年12月に決めた生産調整(減反)廃止などの改革策を踏まえて、現行の計画を見直し、2015年3月の閣議決定を目指す。根幹政策が頻繁に変わる従来の「猫の目農政」から脱却し、農業の競争力強化につながる将来像を示すことができるかどうかが焦点になる。

 林芳正農水相は28日の専門家で構成する「食料・農業・農村政策審議会」(農水相の諮問機関)で、基本計画の改定を諮問した。

 審議会は月1回のペースで、現行計画の検証や新たな目標設定の考え方などを議論する。林農水相は冒頭、「食料自給率目標の取り扱いや、農業・農村の所得倍増に向けた道筋、具体的な経営発展の姿などについて活発な議論をしてほしい」と述べた。

 基本計画は法律に基づき、食料の安定供給や農業の発展、農村振興を目的とする約10年間の政策指針。5年ごとに見直すよう定められており、民主党政権下の10年3月に決まった現行計画は、コメ農家に10アール当たり1万5000円の補助金を支払う「戸別所得補償制度」の導入や、食料自給率を50%(カロリーベース、12年度は39%)まで引き上げることなどが盛り込まれていた。

 ただ、10年の調査では中核的な生産農家の平均年齢は66.1歳と高齢化は止まらず、耕作放棄地も滋賀県全体に匹敵する約40万ヘクタールに上る。後継者不足や補助金依存の体質などの課題解決への道筋は付かず、現行計画でもすでに実現が不安視される目標もある。

 今回の見直しは25年度までを見据え、安倍政権がまとめた改革策「農林水産業・地域の活力創造プラン」を反映する抜本的な改定が見込まれる。安倍政権はすでにコメ農家への補助金の段階的廃止を決めるなど保護から競争力強化への転換を鮮明にしており、基本計画も大きく見直す方針だ。

 今後の議論では、農業振興という当初の目的とはかけ離れた姿になりつつある農協のあり方の見直しなども焦点になる。農業票を意識した政党の圧力に揺さぶられて政策転換を続けてきた猫の目農政から抜けだし、安倍政権の掲げる「攻めの農林水産業」への転換を実現できるか。基本計画でどこまで抜本的な課題に切り込めるかが問われる。(会田聡)

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