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タイの最低賃金引き上げ、経営圧迫 中小10万社が廃業
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タイの最低賃金引き上げが、中小企業経営の重い負担となっている。同国政府は所得格差是正などを目的に昨年1月から1日当たり300バーツ(約920円)の全国一律の最低賃金を導入した。ビジネス団体のタイ工業連盟(FTI)によると、導入以降で国内の中小企業約290万社のうち約10万社が廃業に追い込まれた。現地紙バンコク・ポストが報じた。
タイは全事業者のおよそ90%とされる中小企業が国内総生産(GDP)の35%を担っている。こうした中小企業の多くが近年の賃金上昇ペースについていけず、人件費高騰によるコスト増から経営が悪化しているという。
同国の最低賃金の全国平均は2011年に1日当たり176バーツだったが、12年は29.5%増の同228バーツに上昇、13年はさらに31.6%増加して全国一律の300バーツとなった。
FTIは13年の引き上げで事業者の生産コストが40%上昇したと指摘、中小企業に救済策を講じなければ状況がさらに悪化し、廃業が加速度的に増加する恐れがあるとしている。
また、非営利の民間政策研究機関、タイ開発研究所も最低賃金引き上げで中小企業の事業継続や新規開業が難しい環境が生まれたと分析する。
同研究所幹部は「人材育成のノウハウと資本のある大企業などにとっては賃金上昇が効率化促進のきっかけとなるため、中長期的にプラスに作用する場合が多い」としながらも、ノウハウや資本のない中小企業が短期的な苦境を乗り切れるかは疑問だとする見解を示した。
一方、中小企業の廃業が相次ぐなかでも失業率は0.7%(13年)と、タイは東南アジアで屈指の雇用安定力を誇る。FTIによると、比較的堅調な建設業や農業などが雇用の受け皿になっているもようだ。ただ、FTIは農業が政府による補助金に支えられているとし、農業の純粋な雇用吸収力にも懸念を表明した。(シンガポール支局)