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バブル・市場機能阻害の副作用も 日銀追加緩和、株価下支え即効性

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

バブル・市場機能阻害の副作用も 日銀追加緩和、株価下支え即効性

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 日銀が31日決定した追加の量的金融緩和策は、このところ勢いを失いつつあった景気回復や物価上昇の力を“再点火”する狙いがある。特に上場投資信託(ETF)の買い増しなど株価下支えに即効性がある政策は、市場で「思い切った対応」と受け止められ、同日の株価は跳ね上がった。半面、金融バブルや市場機能の阻害といった金融緩和が抱える副作用の懸念も一段と深まる。

 今回の追加緩和は、(1)国債買い入れ額の増額(2)ETFと不動産投資信託(Jリート)の買い増し(3)その結果としてのマネタリーベース(市場に投入されるお金の量)の増加-の3本柱で成り立っている。

 国債やETF、Jリートの買い入れ額の増額は、追加緩和を想定していた市場関係者の間でも「予想していなかった」(野村証券の桑原真樹シニアエコノミスト)との声が漏れる。

 日銀が昨年4月に導入した量的緩和策の主軸は、金利低下を促し景気刺激につなげるための長期国債の大量買い入れだ。日銀は今回、長期国債に加え、株価に連動するETF、不動産収益を元手にした投資商品Jリートも緩和メニューに入れ、幅広い金融商品市況に働きかける姿勢を鮮明にした。

 黒田東彦(はるひこ)総裁は会見で、消費税増税後の消費低迷や最近の原油価格の下落で「実現しつつあるデフレからの転換が大幅に遅れるリスク」に先手を打つのが追加緩和の目的だと強調した。

 株価上昇による資産効果を下支えに、企業や家庭の期待を上向かせ、物価上昇や景気回復を再び勢いづかせる効果に日銀は期待を寄せる。

 ただマネタリーベースを大幅に増やす量的緩和は、金融バブルを生み出す恐れや、本来の市場取引をゆがめる負の側面が指摘されてきた。実際に10月23日、短期国債の入札でマイナス金利が発生した。

 そうした副作用への懸念は日銀内でも根強く、木内登英・審議委員は7月の講演で「金融緩和策が追加的措置によって強化されれば、逆に副作用がプラス効果を上回り、経済の安定を損ねてしまう」と批判した。

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