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中国、セクハラ撲滅目指す女性活動家5人拘束 国内外に大きな波紋広げる

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中国、セクハラ撲滅目指す女性活動家5人拘束 国内外に大きな波紋広げる

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3月18日、インドの首都ニューデリーで、中国当局に拘束された女性活動家5人のマスクをかぶり、早期釈放を求めるインドの活動家ら(AP)  【北京=矢板明夫】北京や広州など各都市で3月上旬、「性的嫌がらせの撲滅」を訴える催しを企画した女性人権活動家5人が中国の警察当局に拘束された。ほぼ1カ月が過ぎた現在も解放される気配はなく、起訴される可能性が高まっている。北京の人権派弁護士は、全国人民代表大会(全人代=国会)の開会中に、複数の都市で同時に催しが開かれ、政治的主張を行う民間組織の影響力が拡大することを懸念したのでは-と分析している。

 この弁護士によれば、拘束されたのは王曼氏や武●●(●=山へんに栄の上の点三つが火を横に二つ並べる)氏ら北京、広州、杭州を拠点に活動する20~30代の女性5人。

 3月8日の国際婦人デーに合わせ、各地のバス停や地下鉄駅で「セクハラをなくして、安全な社会を」などと書かれた横断幕を掲げ、「男女平等」を訴えるビラを配ることを計画したが、その直前に拘束された。

 警察当局は担当弁護士に対し、「騒ぎを起こそうとした容疑」で起訴することで調整中だと説明しており、起訴されれば、最高で懲役5年の判決が下る可能性もあるという。

 彼女たちはこれまでに、女性トイレの空間が狭いことに抗議して、「男子トイレ占拠運動」のパフォーマンスを北京で行うなど、女性の地位向上を求める多くの催しを実施してきたが、共産党体制や政権を直接批判したことはなく、反体制派ではない。

 5人の拘束は国内外に大きな波紋を広げている。中国国内で釈放を求める署名活動が始まったほか、インターネット上では「お母さんに会いたい」と題し、3月24日に4歳になった武氏の息子が泣いている写真が広く転載されている。

 米国やドイツ、韓国、インドなどの女性の人権擁護を求める団体も、ニューヨークの国連本部や各国の中国大使館前で相次いで抗議活動を行っており、米国政府や欧州連合(EU)の関係者も早期釈放を求めるコメントを発表した。

 中国外務省報道官は、「どの国の誰であろうが、中国に釈放を要求する権利はない」と反論している。

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