【ビジネスパーソン大航海時代】現代ならではの「哲学起業」 元転職苦労人の熱い想い~航海(5) (2/5ページ)

高橋宣成さん(著書とともに)
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 「大学院まで行きました。そこは就職に強い学校で、教授が企業の推薦を取り付けてくれるんです。でも自分の中では企業に入って仕事をすることに魅力を感じていなかったので周囲の反対を押し切ってサックス奏者を目指したのです」

 突っ張って活動をするものの、ついに30歳まで稼ぐことができなかったそうです。

 「30歳までに稼げなければこの道は諦めると決めていました。好きなサックスを吹くことを辞め、サラリーマンになりました。次はきちんと稼ぐ仕事をやろうと。運良く成長企業に入ることが出来ました」

 ここで獅子奮迅の活躍をします。

 「拡大するモバイルコンテンツ業界に属していた我々の会社はどんどん成長し、テレビCMまで実施するようになります。社員も爆発的に増えました。過去の失敗もあって私は仕事に熱心に取り組んでいましたので、あれよあれよといううちに事業部長を任せていただけるようになりました」

 売れなかったミュージシャン時代からは想像がつかない見事な復活劇を果たしたのです。しかし、残念ながら良い時は長くは続かなかったそうです。

 「その会社はモバイル市場の変化についていくことが出来ず、自分は退職することを決意します。そこからが地獄の始まりでした」

 “事業成長を実現させた事業部長”と聞くと就職先に困らないのかな?と思うのですが…。

 「その時年齢は30代後半にさしかかっており、もう若くはありません。それに加えて年収も良かったので転職先のポストがずっと見つからなかったのです。そこで条件をかなり落とした転職を余儀なくされました」

 転職先は大変でした。いわゆるブラック企業だったのです。

「新卒は家に帰れない」