ビジネスパーソン大航海時代

現代ならではの「哲学起業」 元転職苦労人の熱い想い~航海(5) (4/5ページ)

小原聖誉
小原聖誉

 「業務効率にテーマを絞っているので、企業からのマクロ開発のお問い合わせも右肩上がりで増えています。サプライズもありました。なんとブログを見た出版社の方から書籍化しませんか?というお話もいただいたのです。今まで2冊上梓しています」

 思わずうなりました。サラリーマン時代の成功体験を元にテーマを絞り込んでしっかりとその道の第一人者というポジションを獲得されたのです。

 正しい努力をする人が認められる世に貢献したい

 私は高橋さんに聞きました。もう売上には困ってないでしょう。ブログと比例して伸びているはずです。そしてブログがある限りおそらく当面売上は無くなりません。ここから先はどうされるのでしょう?

 「実は今期、売上は前期と横ばいの見込みです。理由は簡単です。マクロ開発を請け負った案件はプログラムの更新があるたびに追加収益が生まれる、いわば “自動販売機”のビジネスモデルなのですが、私がプログラム更新はその会社の方ができるように研修もはじめたからなのです。すると私への更新依頼はなくなります(笑)」

 私の頭のなかにクエスチョンマークが浮かびます。

 「私は喜ばれることだけで売上を上げたいのです。先方の企業がプログラム更新できないように情報を隠すことで売上を上げる仕事はしたくありません」

 理想郷のような話です。しかし…これからどのように拡大させていくのでしょうか?

 「会社ではなく、個人のキャリア支援をしたいと思っています。非効率な業務は日本中どこにでもあるでしょう。RPA(ロボットによる業務効率化の仕組み)が導入されはじめていますがこれは大企業に限定されます。日本のほとんどは中小企業ではありませんか?エクセルのムダはたくさん散らばっているのです。私は、私のように解決できる人材を育成しています。今の時代誰でもコミュニティーサービスの提供が可能です。そのコミュニティーメンバーになってもらえれば実践的な解決方法をシェアします。このような人材は社会から求められ食いっぱぐれません。昔の私はこのコミュニティーがあったら入っていたでしょう」

 「あなたならではの領域は必ず見つかる」

 資金調達をして一気に数字の拡大を目指す派手なスタートアップがある一方で、高橋さんのように自分自身の痛みを多面的に解釈し、まず『ムダな長時間労働をせずにITを使って業務効率を支援する事業』を手がけ、次に『自分自身がロールモデルになって、業務効率向上に貢献する人材教育を行う』という、情緒的に美しいビジネスラインを描いていく起業モデルもあるのだと理解しました。

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