社長を目指す方程式

偉大な企業を創った経営者たちが絶対に妥協しない「3つの円」とは (4/4ページ)

井上和幸

 特に難しいと思われるのが「自社が世界一になれる部分」です。針鼠の概念を確立しようとするときに、最も大切なことは、厳しい現実(「現状、世界一と言える部分はどこにもないし、これまでにもなかった」)を直視し、三つの円に基づく問いに導かれ、適切な人たちが活発に議論を交わすことです。

 事例として分析された偉大へと至った企業は、自社が世界一になれる部分を見いだすのに平均4年を要していたとのこと。私たちに求められることも同様に、信念を持って諦めず、自社の理念に基づき、これまでのものに固執せず、自社のGREATを見いだすことに全精力を注ぐ執念ではないでしょうか。

 「世界は変化している。この難題に組織が対応するには、企業として前進しながら、信念以外の組織の全てを変える覚悟で臨まなければならない。(中略)組織にとっての聖域は、その基礎となる経営理念だけだと考えるべきである」--トーマス・J・ワトソン・ジュニア(IBM2代目社長)

 偉大な企業を創るリーダーの、意外な姿

 これを外さず、PDCAをしつこくしつこく回すことで「劇的な転換がゆっくり進む」(ジム・コリンズ)結果、ブレイクスルーは起こります。

 意外なことに、ある局面から偉大な企業へと転換を遂げた企業の共通項はカリスマ経営者の登場でもなければ一発逆転の大ヒット事業でもなかったことを、ジム・コリンズはビジョナリー・カンパニーシリーズ4作で明らかにしました(逆に、カリスマ経営者の就任によるハロー効果的な短期的事業拡大や一発逆転大ヒット事業での売上急拡大は、数年後に同じ企業を概ね事業の急落と経営危機に陥らせているという事実を、私たちは認識すべきです)。

 偉大な組織、事業、企業を築く時に、決定的な行動や壮大な計画、画期的なイノベーション、たったひとつの大きな幸運、魔法の瞬間といったものがある訳ではありません。

 偉大な企業への飛躍は、地道で最初はなかなか動かない重たい弾み車を、正しいひとつの方向に押し続け、回転数を徐々に上げて勢いを増し、それがある時、突破の段階に入り、それでもなおさらに押し続けるということなのです。

 ジム・コリンズは『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』で「第五水準のリーダーシップ」と表現していますが、これは謙虚さと不屈の精神、自分にではなく会社や社会に対する野心を持つリーダーだと言います。

 私もここ最近、クライアントの経営者各位や当社運営の経営者・リーダー向けサイト「KEIEISHA TERRACE」での注目社長インタビューでお話を伺っている経営者の方々から、まさにこの「謙虚さと不屈の精神、自社や社会に対する野心」を共通して感じます。

 令和時代に活躍するリーダー、社長になる人の条件とは、まさに、社会に対する提言やメッセージを強く持つ、謙虚さと不屈の精神で自社の弾み車を回す変革リーダーなのだと確信します。既に名前の挙がっている次代を担うであろう経営者の方々のご活躍に注目しつつ、これからデビューされる「第五水準・変革リーダー」の登場が楽しみでなりません!それはいま、このコラムをお読みのあなたかもしれませんね。

【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。

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