社長を目指す方程式

オンライン会議の強化書 上司がメリットを活かす3つの術 (2/4ページ)

井上和幸
井上和幸

 石黒さんは、人間はアイコンタクトで意思疎通をする生き物であることに本書で触れていて、なるほどと思いました。確かに対面であれば、視線で相手を捕まえることができますし、実際、意識無意識によくやっていると思います。

 オンラインでこれを対面と全く同様に行うことは至難の技ですが、なるべく同じ状況に持ち込むために、石黒さんは「カメラにしっかり、はっきり視線を向ける」ことと「意識的に手振りを使う」ことを推奨しています。これで相手の視線、ひいては気持ちを捕まえること。また、最近はオンラインセミナーなどでもよく使われるようになってきましたが、「投票機能」や「チャット機能」を使って参加者に積極的に反応、発言してもらう。こうしたことが「発言者と参加者の距離を縮める」ことの一助となります。

 会議開始前の待ち時間こそ、オンライン雑談のチャンス

 オンライン会議では概ね開始時間定時に参加者がログインしてくると思いますが、たまたま少し早めに入ったときに同じく早めに入ってきた人たちと、ついで話やそういえばで別件の話をした経験、ありませんか?

 石黒さんは、これが「参加者同士の連帯感を高める」ことになるため、意図的に10分前、あるいは30分前くらいから時間がある人はバーチャルルームに入れるようにセットアップしておくなども非常に有効だとアドバイスしています。これは確かにと思いますね。私もこれまで偶発的に、オフィシャルな開始前に初めてお会いするクライアントやインタビュー者などと雑談したり、社内メンバーと個別案件の話をしたりしていました。これを意図的に仕掛けることは、かなり有益だと感じます。

 こうしたオンライン会議、そもそも対面の場でも人前で話す、複数名に対して話すことが苦手な人にとっては非常に孤立感を感じるものであり、どうしても発言の際に<独り言>のようになってしまうようです。

 そこで石黒さんは「自分自身を孤立させない工夫」として、オンライン会議であっても、自分の側に誰かリアルに一緒にいてもらえる人を置き、その人に対して話す形を取ること。また、自分が話しているオンライン会議の動画を録画しておき、あとでどのような話し方をしているか見直してみて改善をはかることも推奨しています。ぜひトライください。

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