従来、各拠点から出張で本社に集まってのマネジャー会議、支店長会議などを定期スケジュールで一堂に介して行なっていたのは、「幹部に移動も含めた一定の時間と費用(新幹線代、宿泊費など)をかけるので、万が一の抜け漏れのないように全員で集まろう」という<機会ロス最小化思考>でのことでした。しかし、オンラインで距離の制限なくいつでも集まれるならば、「本当にその議題に必要な人だけ集まる」「極力、必要な議題だけ短時間で行う」<機会創出最速化思考>の方に経営上・事業運営上のメリット、軍配が上がるのは間違いありません。
「必要な参加者だけ」「短時間」をキーワードに、逆に機動力を高めるためには「多頻度」のオンライン会議開催が良いかもしれませんね。
ここまで上司の皆さんが、オンライン会議で生産性を高めるための方法について見てきましたが、石黒さんは、画面共有で共同作業をすることで楽しんだり、オンライン会議中に出た内容で参加者が分からないことや気になることなどがあった際に、ネット検索で調べるなどの「内職」を積極的に認めること、ときには「画面オフ」などもOKとする、また、たまにはウェビナー形式での情報共有会議で参加者は気楽に聞きっぱなしでよい会も設けるなどの、砕けた場を設けていくことも大事ではないかとおっしゃっています。全く同意です。TPOに合わせて、柔軟なスタイルを取り入れて運用していける上司こそ、ウィズコロナにオンラインで活性化した組織を率いることのできるリーダーだということになるのは間違いないと思います。
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オンライン会議は部下の反応が掴みきれないなどもどかしい部分もありますが、一方では時間的な制約がなくなった、移動などのコストが大幅に減る、出逢える機会が大幅に拡大した、同時に会える人数が増大したなど、得られるメリットも非常に大きいことを私たちは知りました。
まだまだ続きそうなウィズコロナ下ではもちろんのこと、1年後か数年後か以降のポストコロナにもこのメリットをしっかり活かしていくことが、<ニューノーマル上司>として活躍するための基本武装となるのです。
【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら