東芝など重電各社、海外で水ビジネス展開強化 新興国中心に体制整備

2012.4.12 05:00

日立製作所がモルディブに設置した海水淡水化装置

日立製作所がモルディブに設置した海水淡水化装置【拡大】

 重電各社が、海外の水ビジネスを拡大する。東南アジアや中東など新興国を中心に、海水の淡水化や上下水道の整備、排水処理など幅広い分野で成長が見込めると判断しているためだ。

 東芝は11日、シンガポールの現地法人の傘下組織として「水研究センター」を新設したと発表した。同社が開発中の吸着材「機能粉」を使い、半導体の製造工程から出る排水からフッ素を分離する技術を確立する。技術はまず、アジアに売り込み、世界市場に展開する構えだ。

 シンガポール政府は現在、同国を水ビジネスの開発拠点にする構想を打ち出している。同研究センターは、シンガポール政府公益事業庁の研究拠点内に施設を設けて、新たな水処理技術の開発を加速させる。

 東芝は、2011年4月に、インドネシアの水処理エンジニアリング会社に67%を出資するなどアジアでの水ビジネスの運営体制を拡充。15年度には水ビジネスの売上高を11年度比1.5倍の1500億円に引き上げる方針。

 一方、日立製作所も海外展開の強化で、15年度に水ビジネスの売上高を10年度比倍増の2000億円に拡大する戦略を打ち出している。最近では3月に、インドで海水淡水化プロジェクト、中国・大連市で水インフラ整備への参画を決めた。

 また、カタールの投資会社とエンジニアリング事業を手がける合弁会社を設立するなど、海外の現地事業体制の整備も急ピッチで進めており、10年度時点で10%前後だった水ビジネスの海外売上高を、15年度には35%に引き上げる計画だ。

 経済産業省などの調査によると、世界の水ビジネス市場は07年の約36兆円から25年には約87兆円に拡大する見通しで、水関連設備の電気機器などを手がける重電各社の事業機会はさらに広がりそうだ。