トヨタ自動車の「IMV」と呼ぶ新興国向け戦略車の累計販売台数が、2004年の発売から今年の3月で500万台に到達した。IMVは、世界140カ国以上の市場に導入することを前提に、ピックアップトラックなど5車種で展開してきたが、現在の導入地域は日本と北米、中国を除いた170カ国・地域にまで広がっている。IMVの開発を担当する製品企画本部の中嶋裕樹チーフエンジニアに、トヨタのIMVが世界で受入れられている理由について聞いた。
--IMVの特徴は
「IMVは、主に世界の新興国市場をカバーするために、海外で生産し、供給することを目的に開発した世界戦略車。現在、ピックアップトラック『ハイラックス』3モデルと、SUV『フォーチュナー』、ミニバン『イノーバ』の5車種が、11カ国・地域で生産されている。とくにタイとインドネシア、アルゼンチン、南アフリカの4カ国を中核の生産拠点と位置づけ、世界各国に輸出している。世界戦略車のため、日本では生産・販売されていないが、年間の生産台数は04年の立ち上げ時の9万台から、11年は75万台と8倍超に拡大している。4月からはエジプトの委託工場で、『フォーチュナー』の生産も始めた」