家電量販店は、大量仕入れを武器に家電メーカーとの価格交渉で優位に立ち、低価格販売が競争力の源泉となっている。両社は今後、仕入れや商品開発面でも連携して規模のメリットを追求するほか、経営の効率化を図る狙いだ。
業界再編の動き加速
ただ、両社が手を組んでも売上高は約1兆円規模と、首位のヤマダ電機の半分程度で、「規模の効果は限られる」(国内証券アナリスト)との指摘もある。しかも、量販店ビジネス自体が縮小するとの見方もある。日本政策投資銀行の試算によると、2010年に約6兆円だった家電量販の市場規模は、11年には約5兆円、12年以降は4兆円台半ばまで縮小すると予測する。
特に主力だった薄型テレビ販売が厳しい状況で、電子情報技術産業協会(JEITA)によると今年3月の国内出荷台数は前年同月比59.9%減の86万3000台と8カ月連続の前年割れ。地デジ移行の反動やエコポイント終了などの影響が続いており、回復の兆しはみられない。これに伴い、各社とも太陽光発電やスマートフォン(高機能携帯電話)などの拡販に活路を見いだそうとしているが、テレビの不振を補うには至っていない。
量販店同士の競争に加え、近年はインターネット通販との競争も激化している。拡大戦略が成長に結びつくかどうかは未知数で、さらなる業界再編も予想される。(松元洋平)