【ニッポン経済図鑑】旭硝子鹿島工場 圧巻、600メートルの連なる工程 (2/2ページ)

2012.5.14 05:00

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 ■ショールームで機能体感

 東日本大震災ではフロート窯の一部工程が損傷し、港湾設備も所々が陥没した。「地震対策に手ぬかりはなかったと思うが、津波への備えは反省点もあった」(吉門氏)といい、防災対策の見直しを進めている。

 夏は室内が暑くならず、冬は室内の暖かさを外に逃さない「エコガラス」の需要増に備えた態勢も整いつつある。5月には最新設備が稼働し、遮熱・断熱性能を持つ特殊金属膜の生産能力は倍増となった。

 一方、鹿島工場から約80キロ離れた東京・京橋にある建築用ガラスのショールーム「AGCスタジオ」では、建築家や工務店といったプロだけでなく、一般消費者もガラスの機能を体感し、使い方を相談できる。

 高機能ガラスの遮熱性能や断熱・結露防止性能、防音性能などを実体験できるコーナーもあり、武内真弓マネージャーは「(購入に向けて)背中を押してもらうため、来館されることも多い」と話す。

 2010年にオープンし、開館は月曜と年末年始を除く平日の午前10時~午後6時(金曜は7時)。外装や内装、調度品はすべて白で統一しており、ガラスや建築に関わる講演会やイベントを催す場になるなど、文化的な役割も担う。

 日常生活では至る所に存在する建築用ガラス。製造現場とショールームを訪れ、その奥深さの一端に触れた気がした。(森田晶宏)

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【用語解説】旭硝子鹿島工場

 茨城県神栖市東和田25。1975年にソーダ製品の生産を始め、81年にはフロート窯による板ガラスの製造設備が稼働した。生産能力は1日当たり850トンとアジア最大級で、国内で製造される建築用板ガラスの3分の1以上を占める。従業員数は協力会社を含め約1200人。