つながりやすい特性から“プラチナバンド”と呼ばれる900メガヘルツ帯の周波数を利用したソフトバンクの携帯電話サービスが25日に始まった。「つながりにくい」との評判が定着したソフトバンクは、汚名をそそぐ強力な武器を手に入れた。だが、通信品質を短期間で向上するのは難しく、大口顧客による解約の動きも顕在化した。「将来はNTTドコモに並ぶ」と孫正義社長の鼻息は荒いが、さらなるシェア拡大にはこれからが正念場だ。
不利な戦い
「よろしくお願いしま~す」。今月25日、東京・六本木の交差点。うだるような暑さの中、行き交う通行人にチラシを配布するソフトバンクのスタッフの姿があった。
「号外!」と書かれたチラシを開くと、「つながらない→→つながる」との大きな文字。プラチナバンドでのサービス開始で通信品質が大きく改善するとのアピールだった。
900メガヘルツ帯は、これまでの2・1ギガヘルツ帯に比べて室内にも電波が入りやすく、障害物などを回り込んで伝わる特性がある。このため、ビルの中や繁華街などでも通話やデータ通信がしやすくなる。