ケーブルテレビ(CATV)国内最大手のジュピターテレコム(JCOM)が同2位のジャパンケーブルネット(JCN)を年度内にも買収し、経営統合する方向で検討していることが21日までに分かった。統合により、国内CATV市場のシェア約50%を握り、放送・通信サービスを提供する巨大メディア連合が誕生する。
ジャスダックに上場するJCOMは住友商事が40%、KDDIが30.7%をそれぞれ出資し、JCNにはKDDIが95.6%を出資している。住商とKDDIは協力して、株式市場にある約30%のJCOM株を取得した後、50%ずつ折半で保有する方向で調整中。その後で、JCOMがJCNを吸収する。
統合会社は売上高約5000億円、有料テレビ加入数が約400万世帯の巨大CATV会社となる。会員数225万人(有料契約は半数)の光回線を利用したNTT系のネット放送「ひかりTV」を大きく上回る放送・通信メディアとなる見通しだ。
JCOMの経営権をめぐっては、2010年にはKDDIが当時筆頭株主だった米リバティグローバルから約3600億円で保有株式を取得すると発表し、住友商事が株式公開買い付け(TOB)で対抗して筆頭株主になった経緯がある。