ごった返す人波をかき分けながら、ひたすら前に進む。私を含めた報道陣の「お目当て」のスポーツカーがやがて姿を現すと、一斉にフラッシュがたかれた。真っ赤なボディーに、躍動感のあるうねるようなデザイン。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が発表した「シボレー・コルベット」の新モデルは、会場を圧するような存在感を放っていた。
存在感放った「アメ車」
ミシガン州デトロイトで先月開かれていた世界最大級の自動車見本市、北米国際自動車ショーを今年も取材した。エコカー(環境対応車)が席巻した前回と違い、今年の特徴は、各メーカーとも主力車や売れ筋モデルの戦略車の出品が目立ったことだ。1年前とは様変わりといっても大げさではない。
米メーカーはこれぞ「アメ車」という感じの大馬力の車やスポーツカーを多く出展。米国を代表するスポーツカー「コルベット」はその典型で、GMの最高経営責任者(CEO)、ダン・アカーソン氏(64)は「今こそGMらしさを示す」と力説した。