中部電力が対日輸出事業を計画している米LNG基地。奥に見えるのが貯蔵タンク=米テキサス州フリーポート(中部電力提供)【拡大】
米政府が、次世代エネルギーとして期待される新型天然ガス「シェールガス」の日本への輸出を解禁した。日本向け輸出の第1弾に選ばれたのは、大阪ガスと中部電力の連合だった。
供給エリアや業種の異なる2社が手を携えるというユニークさが脚光を浴びたが、実は、3年後に迫る電力小売りの完全自由化を見据えて、両社のライバルと目される関西電力の“包囲網”を築く狙いも見え隠れする。敵の敵は味方?
強い“絆”
大ガス「安価な液化天然ガス(LNG)の調達手段が増える」
中部電「アジアのLNG市場で新価格体系を持ち込めるかも」
米国のシェールガス革命に絡もうと日系のエネルギー関連企業がしのぎを削る中、“一番乗り”を勝ち取った両社の喜びはひとしおだ。
実は、大ガスと中部電の“絆”は昭和40年代に培われた。石油ショックが世間を騒がせ、石油に代わるクリーンなエネルギーとしてLNGが脚光を浴び始めた時代。