造船・重機大手の川崎重工業が長谷川聡社長(65)ら取締役3人を13日の臨時取締役会で解任し、後任社長に村山滋常務(63)を同日付で昇格させるとともに、三井造船との統合交渉を打ち切ることを発表したことを受け、14日の東京株式市場では川崎重工株が上昇した一方で三井造船株は下落し、市場の評価は分かれた。
ただ、来年には造船の受注残高が消える「2014年問題」を抱えており、生き残り策を模索する造船各社にとって、両社の破談が新たな再編の呼び水となりそうだ。
川崎重工株は取引開始直後から買い注文が入り、前日終値比27円高の333円まで一時急騰した。SMBCフレンド調査センターの木谷亨主任研究員は「三井造船の造船所を抱え込むという川崎重工の負担への懸念がなくなり、市場に安心感が広がった」と分析する。終値は13円高の319円だった。