経営再建中のシャープは25日、大阪市北区の大阪府立国際会議場で定時株主総会を開いた。主力の液晶パネル、テレビ事業の不振が響き、2期連続の巨額赤字を計上。台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業との資本提携も事実上白紙となったことで、株主からは厳しい質問が相次いだ。
総会の冒頭、奥田隆司社長は「(2013年3月期の)最終損益は5453億円の赤字という厳しい業績となり、誠に申し訳ない」と述べ、役員全員が頭を下げて謝罪した。奥田社長は「(14年3月期は)最終損益の黒字化に全力を尽くす」と決意のほどをアピールした。
しかし、株主からは「シャープはほとんど倒産企業だ」「役員報酬は全額返納してほしい」などと厳しい声が相次いだ。歴代トップが経営に強い影響力を及ぼす「多頭経営」への批判も続出した。
総会に先立ち、片山幹雄会長が退任して技術顧問(フェロー)に就き、町田勝彦相談役は無報酬の特別顧問とする人事を決定。また、総会後の取締役会で奥田社長は会長となったものの取締役を退き、高橋興三副社長が社長に就いた。