番組とインターネットのサイトが起動時に一緒に表示されるパナソニックのスマートテレビをめぐり、民放各局が「業界の技術ルールに反する」としてCMを放映していないことが明るみに出た。ネット上でも「テレビ局は既得権を守りたいだけ」「いや、ルールは妥当」などと賛否が渦巻くが、図らずもテレビの未来を考える契機となったようだ。
「スマートテレビは新しい分野のサービスであり、放送・通信の新たなルールづくりが進められようとしている現在、コメントは差し控えさせていただきます」。パナソニックが公表した短いコメントに、テレビが直面する現実が凝縮されていた。
4月発売の「スマートビエラ」は、テレビをつけると番組の下と右にサイトや動画が表示される。だがテレビ局側は、家電メーカーとつくる電波産業会の運用規定で、視聴者が番組とネット情報を混同しないような表示方法を推奨しているとして、CMを放映していない。
世界各国でスマートテレビが広がる中、ネット上では「視聴者の使い勝手を考えれば、現行ルールは時代遅れでは」といった声も上がった。