JTBは15日、国内旅行の商品事業本部を分社化し、「JTB国内旅行企画」(東京都品川区)を設立した、と発表した。新たな旅行商品を開発し、新規需要を掘り起こすと同時に、外国人観光客の誘致にも結びつけたい考え。業務開始は来年4月1日からで、初年度(2015年3月期)は売上高3000億円を目標とする。
この種の商品企画会社(ホールセラー)としては、国内最大規模になるという。
新会社の資本金は10億円で、JTBが全額出資する。全国7つの地域会社に分散していた事業本部を統合する。開業時は社員1000人体制とする。
売上高目標約3000億円は、JTB全体の約4分の1を占める規模となる。東京五輪が開催される2020年度には5000億円に引き上げたい意向。
少子高齢化で、国内の旅行人口も減少が予測されている。その中で新会社は体験型の新しい旅なども提案、インターネット通信販売などによる同業他社の低価格路線とは一線を画したい構え。
JTBの田川博己社長は「国内旅行商品は、これまで地域で完結する傾向があった。マーケットからみて新しい価値を創造する商品を開発し、訪日外国人観光客も増やす基盤作りを急ぎたい」と話した。