年末商戦本番を前に、エアコンの販売競争が熱を帯びている。エアコンといえば夏場に売れるという印象が強いが、最近では冬場に購入する消費者も多い。暖房性能が向上したため、これまで夏場にエアコンを利用する習慣がなかった寒冷地を中心に、暖房機器としての引き合いが増えているのだ。来春の消費税増税を前にした駆け込み需要が30万台に上るとの試算も出ており、メーカー各社は販売態勢の整備を急いでいる。
10年前より4割増
「かつてエアコンがこんなに売れたことはない」
富士通ゼネラル空調機営業推進部の横尾謙営業専門課長は、エアコン市場全体の動向を示すグラフを片手に、冬商戦への期待を膨らませる。
同社によると、2013年度の国内向けの出荷は、過去最高の880万~900万台に達する見通しだ。猛暑と残暑のため、この夏の販売が急増したことが主因で、900万台を上回る可能性もあるという。横尾氏は「(消費増税前の駆け込み需要が続く)来年3月までが勝負」と気を引き締める。
各社はこの冬商戦で、電気料金の値上げを受けてニーズが高まっている省エネ暖房機能を前面に出してアピールしている。