鉄鋼生産の回復基調が鮮明になった=千葉県君津市の新日鉄住金君津製鉄所【拡大】
鉄鋼やセメント、化学品などの生産回復が鮮明になってきた。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の効果が素材業界にも波及し、2013年の生産量はそれぞれ前年を大きく上回った。
日本鉄鋼連盟が23日発表した13年の粗鋼生産は、前年比3.1%増の1億1057万トンだった。前年を上回るのは3年ぶりでリーマン・ショック前の08年(1億1873万9000トン)以来の高水準となった。
復興需要で、建設向けなどの鉄鋼需要が増大したことが牽引(けんいん)した。また、円高是正により、自動車メーカーをはじめとする鉄鋼の需要産業が息を吹き返したことで、年央以降の産業向け需要も大きく回復した。今年も13年をやや下回るものの1億1000万トン超えを予想しており、鉄鋼業界の活況は続きそうだ。
建設向けの形鋼などは、各社が値上げを進める。産業向けでは、今年度下期の鋼材価格について、モデルケースとなる新日鉄住金とトヨタ自動車の交渉が大詰めを迎えている。