フィリピン航空(PAL)は、サメの背びれや尾びれを乾燥させた中華食材「フカヒレ」の輸送を取りやめる。環境保護団体から絶滅が危惧されるサメを保護するために輸送禁止要請を受け、同社の輸送規則にフカヒレを禁止項目として明記することを決めた。現地紙インクワイアラーなどが報じた。
環境保護団体は、PALが大量のフカヒレを輸送していることを4月中旬に告発し、フカヒレの輸送禁止を求めていた。環境保護団体は各国の航空会社に対して、フカヒレの輸送禁止を働きかけている。その背景には、ここ数年、中国や香港のレストランで高級食材フカヒレの需要が高まり、サメが乱獲されていることがある。一部のサメは絶滅の危機に直面しているという。また、ひれの部分だけを切り落とし、残りは海に投棄するサメ漁も批判されている。
PALの広報担当者は「香港向けだけなく、全面的にフカヒレの輸送を取りやめる」と述べ、今回の決定はPALの環境保護姿勢を示すものだと指摘した。
フカヒレの輸送禁止は各航空会社にも広がっている。2012年には香港のキャセイ・パシフィック航空が輸送禁止を発表した。昨年は、ニュージーランド航空や、韓国の大韓航空とアシアナ航空も輸送禁止を表明している。(シンガポール支局)